例年ですと、既走馬のサバイバルが始まる時期ですが、今年は昨年夏のインフルエンザ騒動の余波か、まだまだデビューしていない評判馬がかなりいるようです。とはいえ、やはり厳寒期には馬が仕上がりにくく、なかなか評判通りの力を見せられないもの。新馬戦の除外ラッシュも例年以上のようです。こうなると、新馬戦よりも、今後は未勝利戦の方で変わり身を見せる馬に注目する比重が高まるかもしれません。
さて先週は、雨の影響を受けてしまって、芝ではタイム的な分析はしづらい週となりました。また開幕週に馬が揃ったこともあり、メンバーの質自体が落ちました。
中山は、土曜は特筆するレースなし。日曜は2R、ダート1800mの未勝利戦。前半65.0秒のスローから、なんとか1分56秒9まで押し上げたのは、ひとえに3番手から抜け出して4馬身ちぎった
グラスブラスト(牡、母レンII、美浦・尾形充弘)の上がりの速さによるものです。レインダンスの半弟で父がマンハッタンカフェ。一見ダート向きとは思えない配合ですが、切れる脚がなく馬力がモロに出ているということでしょう。ダートなら1000万までは保証できますし、芝でも時計が掛かればソコソコはやれそうです。
9Rの朱竹賞は、
アポロフェニックス(牡、父アフリート、母カトリア、美浦・柴崎勇)が危なげない快勝も、スプリント路線でどうこうというインパクトは感じませんでした。
京都からは、まず土曜5Rの新馬戦。良血馬
シングライクバード(牡、栗東・友道康夫)が初勝利。父シンボリクリスエス、母シングライクトーク。道中追っ付け通しで、明らかにマイルでは短いという印象でした。2000mならさらに良さそう。後半ラップがずっと落ちないままで、決して差しに向いている流れではなかったことも、この馬のスタミナと切れを裏付けます。
土曜9Rはダートの500万下、飛梅賞。
ピエナエイム(牡、父スペシャルウィーク、母シェアラミー、栗東・谷潔)は行きたがっていたわりには終いもシッカリ伸びて、着差以上に危なげない勝利でした。緩みのないペースを自ら動いて差した価値ある勝利。2着
アバレダイコ(牡、父ティンバーカントリー、母ジャスミンブリーズ、美浦・相沢郁)共々評価できますが、ただ脚抜きの良い軽いダートが向いている感がします。血統的にもあまり馬力勝負になると不安も。3着
イイデシンゲン(牡、父ブライアンズタイム、母ミラーズミガ、栗東・昆貢)は出遅れがすべて。まともなら快勝していたでしょう。ダートでもやれることは示しましたが、ただこちらも軽いダート向き。
日曜5Rの未勝利戦は、クロフネ産駒でディアデラノビアの半弟
マゼラン(牡、母ポトリザリス、栗東・角居勝彦)が豪快な差し切り勝ち。前半はやや掛かりそうなところを馬群に入れてなだめ、3コーナー手前から外をずっと通って突き抜けました。コースロスが大きかったことを思えば相当な距離を長い脚で駆け抜けたことになります。柔らかそうな馬体、あとはクロフネ産駒の早熟傾向だけが心配。
6Rの芝1600mの新馬戦を勝ったのは
エーシンコンファー(牝、栗東・松永幹夫)。内回りのマイルを楽に逃げ切り。Dynaformer×Storm Catの大物感ある配合です。馬場差を考慮すると、前日のシングライクバードの未勝利戦と同等の価値がある1分36秒5。
最後にシンザン記念。前半が58.4秒のハイペースになったために、上がりが37.0秒と掛かったのは仕方ないところ。勝った
ドリームシグナル(牡、父アグネスデジタル、母ダイイチアピール、栗東・西園正都)自身の上がりは35.6秒で、上がりが掛かったことに恵まれた勝利ではありません。この勝ち馬以外はすべて厳しい。自己条件ならという1勝馬は
シゲルハスラット(牡、父グラスワンダー、母ステラクィーン、栗東・鶴留明雄)をはじめ散見されましたが、差して来たのに上がりが掛かった馬がほとんどでした。
勝ち時計1分35秒4は、馬場差を考えると過去のシンザン記念の並みやや上の評価ができます。ドリームシグナルは前走朝日杯で直線の不利に泣きましたが、やはりこれくらいの距離なら世代トップレベルの馬であることを証明しました。
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