新しい年の3歳戦線、その本格的幕開けを告げるシンザン記念が終わり、これに続く京成杯と、確実に春を目指す動きを感じる。まだまだと思っているうちに、クラシック前哨戦の声が耳に入ってくるのだから、いつものことと言っても、やはり身構えなければならない。面白いと言えば面白いのだが。
どのレースであっても、確実に賞金を上乗せしておかなくては出たいレースに出られないのだから、早めに安全圏に入っておきたい。待ったなしのクラシック戦線には、他のGIレースにない厳しさがある。切羽詰まる状況に陥ることのないよう、どの陣営も必死だ。
とりあえずは、重賞のひとつでも勝っておくのが目標で、1月、2月とそんな戦いが続いていく。
今年の3歳世代には、例年と異なる傾向がある。去年の重賞勝ち馬を見ていくと、東京スポーツ杯2歳Sのフサイチアソート、デイリー杯2歳Sのキャプテントゥーレ、そして朝日杯FSのゴスホークケン、阪神JFのトールポピー、さらには根幹重賞となるラジオNIKKEI杯2歳Sの勝ち馬サブジェクトといずれもが1勝馬だった。
この流れは、年明けのシンザン記念にも及び、勝ったドリームシグナルも2勝目が重賞制覇だった。以前よくみられた、新馬、特別、重賞とエリートコースをステップアップしていく馬は出ていない。そして、東京スポーツ杯2歳Sでフサイチアソートに敗れたゴスホークケンが朝日杯FSを勝ち、ここで4着に終わったドリームシグナルがシンザン記念を勝ちと、どうも新味に乏しい戦いが続いてきた。
こういう状況だから次のステップでもう一度対戦してくれないことには下馬評も立てられない。頭抜けた馬が出てこないと、どうしてもこの世代が高いレベルにあると言い切れることは出来ないので、当分こうした混沌とした様相が続くのだろうが、だからこそ、先読みの楽しさが潜んでいるとも言える。