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京成杯、紅梅S…今年のレベルは?

  • 2008年01月22日(火) 23時55分
 まずは中山からです。

 土曜の注目レースは黒竹賞、ダート1800m。かねてから書いてきましたが、この世代のダート戦線の高レベルぶりを物語る結果となりました。前走で2着馬に3.1秒の差をつけて圧勝してきたサクセスブロッケン(牡、母サクセスビューティ、栗東・藤原英昭)が、ここでも力の違いを見せつける快走。勝ちタイム1分53秒9は、同日の牝馬限定の4歳以上1000万下よりも0.8秒も速く、前週の4歳以上1000万下の初凪賞よりも0.2秒速い。3歳同士なら重賞勝ち間違いないレベルです。ぶっちぎった福島戦の初勝利は、翌日のレオソリスト(牡、父スキャターザゴールド、母マチカネレイロウ、美浦・岩戸孝樹)にアッサリ破られたレコードだったので、相手が骨っぽいここでは少し懐疑的に見ていましたが、圧巻のひとこと。恐れ入りました。シンボリクリスエスにはもともと血統的にダートでの大物となるべき下地は仕込まれていますが、それが開花した好例と言えるでしょう。


 日曜は、関東圏で3歳世代初の重賞となる京成杯。テンの3Fは35.8秒と、2000mになってからは2番目の速さ。5F通過は60.8秒と平均ペースになりましたが、ここでランチボックス(牡、父シンボリクリスエス、母アローキャリー、栗東・浅見秀一)がハナを奪い、5番手にいたマイネルファルケ(牡、父ムタファーウエク、母ビンゴハナコ、美浦・萱野浩二)が早めに進出してきたので、後半も36.6秒で上がるという息の入らない展開になりました。上位3頭はこの流れを利して末脚を生かした馬たち。中でも、マイネルチャールズ(牡、父ブライアンズタイム、母マイネプリテンダー、美浦・稲葉隆一)は初めて中団からの差しに回って切れたわけで、松岡騎手の流れを読んだ好騎乗でした。再三強調してきたように本当に器用な馬で、意のままに立ち回ることができるのが最大の長所です。混戦のまま、新星も現れず推移していけば、皐月賞でも勝ち負けできる馬になったと言えるでしょう。

 2着ベンチャーナイン(牡、父エイシンサンディ、母グラッドハンド、美浦・小桧山悟)は展開をもっとも利した感じ。3着アイティトップ(牡、父マヤノトップガン、母トウキュウアビー、美浦・矢野照正)は一歩及ばずですが、勝ち馬と遜色ない評価です。ただし器用さでは一枚見劣るか。4着、牝馬のリトルアマポーラ(牝、父アグネスタキオン、母リトルハーモニー、栗東・長浜博之)は先着3頭よりも前々で運んでの粘り込みで、かなり強い内容でした。ただ距離的には、やはりもう少し短い方が良さそうです。桜花賞有力候補の一角には間違いないところ。

 いずれにせよ、上がりの高速ぶりで2分01秒6にまで押し上げた去年ほどではありませんが、水準の京成杯よりは上で、皐月賞への参考レースになり得るものはあったと思います。


 続いて京都。土曜の6R、3歳500万下(内回りマイル)の平場は、重賞除外馬なども回ってきて、現級屈指の好メンバーが揃いました。中団のダノンゴーゴー(牡、父Aldebaran、母Potrinner、栗東・橋口弘次郎)と同じような位置から、0.4秒上回る上がりを繰り出して差し切ったのはディープインパクトの半妹ヴェルザンディ(牝、父アグネスタキオン、母ウインドインハーヘア、栗東・池江泰郎)。素晴らしい瞬発力を見せました。ただこの切れ方はマイルがベストの感があります。34.4秒-57.6秒のハイペースに拘わらず、離れた2番手にいたルールプロスパー(牡、父ダイタクリーヴァ、母グロウリボン、栗東・北出成人)が粘って2着、また逃げたダンツキッスイ(牡、父シンボリクリスエス、母サンフラワーガール、栗東・橋本寿正)が4着に入っており、高速からの流れ込みでスピードに乗った前の組が優勢でしたから、それを考慮すればさらに評価が上がる差し切り。これも桜花賞有力候補に台頭です。

 3着ダノンゴーゴーは、悪癖の出遅れこそしませんでしたが、二の脚がつかずにまたしても前半は後方からの競馬。よく追い込んでの3着だったとはいえ、ゴール前の切れには陰りが見えてきました。やはり以前懸念したように、負荷の掛かるレースが続いたツケが出てきたとみます。


 日曜は牝馬オープンの紅梅S。結果からいうと今年は完全な凡戦でした。1分23秒7は、雨の中での競馬(稍重)だった一昨年のタッチザピークと同じ。この日曜9Rの時間帯には、たしかに小雨は降っていましたが、一昨年ほどには悪い馬場ではありませんでした。その一昨年の上位馬も、軒並みその後出世できなかったことを思えば、今年の決着は物足りない時計です。レベル的に天井の見えているマイネレーツェル(牝、父ステイゴールド、母ケイアイベール、栗東・五十嵐忠男)、ビーチアイドル(牝、父ファルブラヴ、母ビーチフラッグ、栗東・加用正)あたりと接戦の着差でもあり、今年はこの組からは、桜花賞で馬券の対象となりそうな馬は出てこないでしょう。


 なお、開幕した小倉からは特筆すべきレースなし。あすなろ賞はノットアローン(牡、父アグネスタキオン、母ソニンク、栗東・橋口弘次郎)が勝ち切りましたが、あれだけ道悪では中身を云々することはできず、参考外のレースでしょう。もちろん、中京2歳Sで見せた掛かり癖は出ませんでしたし、進境はありました。勝利自体には価値があるわけで、次走が試金石とみます。


 反面、3場ともに新馬戦、未勝利戦では特筆すべきレースが見当たらず。このまま陣容が固まるのかどうか、ここ2、3週が見極めどきだと思います。

 なおアルスノヴァ(牝、父ダンスインザダーク、母オリエンタルアート、栗東・池江泰寿)の引退が発表(屈腱炎)されました。残念のひとことです。

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