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JRA賞から思うこと

  • 2008年01月30日(水) 16時49分
 先日都内のホテルで、恒例のJRA賞授賞式があった。昨年は、2頭に特別賞が授与されたのが目を引いた。部門別では選出されず、かと言って、無冠のままでは勿体無いという馬に選考委員会が提議して決めるのだが、ウオッカにしろ、メイショウサムソンにしろ、通常なら記者投票で選ばれてもおかしくない実績を残していた。

 牝馬で64年ぶりにダービーを勝ったウオッカは、たまたまGIはこの1勝だけに終わっていたので仕方なかったが、対抗馬ダイワスカーレットに秋の対戦で負けたのが痛かった。

 JRA賞の授賞式の席上角居調教師は、今年は松田国さんには負けませんと語っていたが、この一言が全てを物語っていた。

 春秋の天皇賞を勝ったメイショウサムソンは、ジャパンCか有馬記念のどちらかひとつでもものにしていたら年度代表馬に選ばれていただろうと思われていたが、高橋成調教師は、どちらかひとつは勝つつもりだったので残念でならないと述べていた。

 特筆に値する戦績を残しながら、あと一歩で部門賞も手にできなかったウオッカ、メイショウサムソンだが、この2頭とも昨年秋は凱旋門賞を目標にしていた。

 かねてから、凱旋門賞には複数馬の遠征がのぞましい、それも3歳馬が1頭でもいたらと願っていたので、昨年は大いに楽しみにしていたのだが、思わぬアクシデントでそれも叶わず、予定変更の影響が尾を引いたように秋の成績が上がらなかった現実に胸を痛めていた。なんとかその胸の内を晴らしてほしい、それがこの2頭に対する切なる思いだ。

 それにしても、海外遠征を目標にする陣営が増えた。春はドバイ、秋は凱旋門賞、その他に香港、シンガポール、アメリカとめざすステージはいくらでもある。JRA賞を受賞するほどの馬だから、その受賞式で海外を口にされる関係者が多いのは当たり前だが、今回もその印象は強かった。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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