このタイトルを名づける原因となった馬たちから見ていきましょう。第一はそう、土曜の東京、芝1800mの新馬戦でベールを脱いだ
レッドシューター(牡、美浦・藤沢和雄)です。
藤沢和雄厩舎に武豊騎乗ということからもその「ただ事でなさ」?は窺えますが、Red Ransom×Sadler's Wellsという軽さと重さのバランスの取れた好配合も、まさに遅れて来た大物にふさわしいものでした。
スタートからスッと外目2番手につけ、1000m通過61.0秒と遅いペースを、まずはすんなり折り合います。ラスト4F13.0秒から3F12.0秒と急激に上昇したところで先頭に並びかけると、持ったまま加速。11.3秒、11.2秒と残りの2Fを踏んで、
メイショウマリア(牝、父マンハッタンカフェ、母メイショウサブリナ、美浦・小島太)に3馬身半の差をつけました。去年の同開催1週目の芝と比べると、この日は中距離換算で0.3秒から0.4秒は時計の出る馬場ではありますが、1分48秒5は、同じ1回東京初日の新馬戦を勝った時の
アブソリュートを1.4秒凌ぎました。アブソリュートが61.8秒、上がり35.0秒というレースラップでしたから、61.0-34.5秒は、走破時計1.4秒の差を考慮したら2枚半は上でしょう。まったく追わずに古馬500万下の勝ち負け級の時計をマーク。まだまだ遊びながらのところもあり、本格化してきたら相当楽しみです。現世代の牡馬では、おそらくトップレベルにあるのでは?と思えるくらいの感触でした。
そして東京ではこの直後、6Rの3歳500万下。去年までゆりかもめ賞として施行されていた2400m戦です。去年の同レースが2分27秒1ですから、馬場差を考慮しても
マゼラン(牡、母ポトリザリス、栗東・角居勝彦)の2分25秒7は相当に速い。単純比較になってしまいますが、過去の青葉賞と比べると歴代2位に当たるタイムをこの時期に出したことになります。クロフネ産駒が2400mでこれだけのパフォーマンスを出すのは例外的。南米の女傑ポトリザリスの血が出ているのかもしれません。
そしてダートでも傑出した存在が。以前から高評価してきた
シルクビッグタイム(牡、母ハローレイチェル、美浦・久保田貴士)です。土曜のバイオレットS、ダート1400mでの1分24秒2は、同日最終の4歳以上1000万下を0.1秒上回りました。Deputy Minister産駒で
ゼンノロブロイの従弟という良血は、中距離でもまったく問題ないはず。今回は意図的に抑える競馬で抜け出させた分、もたついたように見えましたが、道悪とはいえ上がり35.5秒は速く、エンジンが掛かってからはグンと加速できたことがわかります。今後のダート界を背負う馬となるでしょう。
大注目の3頭をフィーチュアしたところで、他の馬についてもフォローしていきます。
京都からは土曜9Rのつばき賞。シンボリクリスエス×シングライクトークの良血牝馬、
シングライクバード(牝、栗東・友道康夫)が勝利。着差こそクビ・クビでしたが、切れは2、3着馬を圧倒。マイル向きのスピードは感じませんが、使われつつドンドンよくなるタイプでしょう。1分48秒5も時計の掛かるコンディションを思えばまずまず。なお2着
ミッキーチアフル(牡、父シンボリクリスエス、母チアフル、栗東・音無秀孝)は牡馬戦線では天井が見え、
ファリダット(牡、父Kingmambo、母ビリーヴ、栗東・松元茂樹)は以前ここでも述べたようにマイラー確定とみていいでしょう。
日曜の京都7Rは、ダート変更された500万下の1400m。芝で行ってはバテを繰り返していた
ダンツキッスイ(牡、父シンボリクリスエス、母サンフラワーガール、栗東・橋本寿正)が圧勝。ふたレース後にバイオレットSがあったので、比べるとどうしても見劣りしてしまいますが、これでも十分水準より上のレベル。詰めの甘さをダートで払拭したダンツキッスイは、今後も上位グループを形成できるでしょう。何度も繰り返しますが、本当にダートの層が厚い世代です。
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