今週、東京競馬場で行われる芝重賞はクイーンC。先週同じ距離で行われた新馬を除いたレースは3鞍。そのなかで6日目に行われたテレビ山梨杯は大きな調教傾向の偏りが出ました。
勝ったのはトラックで本数多く調教を積んだアドマイヤディーノですが、2〜6着までは坂路調教馬が独占しました。出走頭数が5頭しかおらず、そのすべてが6着以内に入ったわけですから、この傾向は見逃すことができません。同じ6日目に行われた3歳500万下では坂路調教馬のコウヨウマリーンが7番人気で勝利。この傾向は今週も続くと思われますが、万全を期すなら、クイーンCと同日に行われる4歳上500万下のレースで、坂路調教馬がどんな結果を残すかに注目してもよいでしょう。
クイーンCの出走予定馬で具体的な評価を下すと、前走牡馬相手の重賞で好走したことで人気が予想されるリトルアマポーラはトラック中心。しかも、調教本数はアドマイヤディーノのように多くないので評価は低くなります。逆に菜の花賞の1、2着馬は前走から引き続き坂路調教なので、かなり期待できると思います。
ダートは今年最初のGI、フェブラリーSが行われます。このレースに関しては、
競馬総合チャンネルの「今週の調教Gメン」で詳しく解説したいと思います。
先週の当コラムも取り上げましたが、短い距離では1400mに調教傾向が出ています。コラムでは坂路で本数多く調教を積んだ馬が好走していることを記載しましたが、先週はその調教タイプの出走が数少なく、結果的に馬券に絡むことが少なくなりました。ただ出走数が少ないことが理由なので、引き続き注目していただきたい調教タイプではあります。
そんな中、目立ったのは併用調教馬の好走。5日目の未勝利戦でこの調教タイプに該当するメジロオマリー、4歳上500万下でヌーサが、それぞれ9、8番人気ながら1着となりました。そもそも1400mで併用調教馬が穴をあけるという傾向は2007年から引き続いており、根岸S・2着のタイセイアトムなどもそれに該当していました。今週の1400mでは「坂路で本数多く」と「併用調教馬」に注目してみてください。
続きまして京都芝。外回りでは京都記念が行われますが、まずは先週の回顧です。
5日目に行われた飛鳥Sではトラックで一杯に追われた馬が好走していたので、6日目のきさらぎ賞も同じ調教タイプであるダイシンプランが確勝と思いましたが、追い込み届かず。結果的には坂路調教馬のレインボーペガサスが勝ちました。ただ、あのレースに関しては、ダイシンプランがブラックシェルを警戒しすぎて5着に終わったのではないかと思います。よって、引き続きトラックで一杯に追われた馬を重視する狙い方でよいと考えております。もしくは、飛鳥Sの勝ち馬と同じトラック、坂路を併用して本数多く調教が課された馬が好走できる状況でしょう。
ダートに関してはやっぱり1800mです。一喜一憂せずに一杯系を狙いましょう。というのも6日目に2鞍行われた1800mでは、調教適性が高いはずのトラックで一杯に追われた馬が出走していましたが、見せ場のない結果となりました。しかし5日目には未勝利戦でモシカシテが3着に入り複勝5,290円、1000万下ではゴールドイモンが2着に入って複勝1,200円と抜群の破壊力を見せました。
「こんな近走成績じゃ狙いない」という類の馬でも好走してしまうのが1800mのトラックで一杯に追われた馬。先行力のある馬が、調教で一杯に追われた利点を活かして粘り込むので、先手を奪うことさえできれば本当に渋太い競馬をしてくれます。
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