まずは重賞のきさらぎ賞。今週も、共同通信杯に続き、既成勢力の人気馬が無残に散ってしまいました。
勝った
レインボーペガサス(牡、栗東・鮫島一歩)は、ダートでは既成勢力と言えますが、芝では新興と言ってもいいでしょう。前走の内容については、地方でのレースだったのでここでは触れていませんが、その2走前のもちの木賞を勝った時に書いたコメントは…「掛け値なしのレコード。テンションは高い馬ですが、とにかくレースに行っての反応が素晴らしい。翌日の古馬500万下を0.1秒上回って、しかも楽勝でした。父アグネスタキオン、母ギャンブルローズ。もしかしたら、祖母の名牝ユキノローズに流れるミルジョージの血が強く出たのかも。大物ダート馬でしょう」…。
きさらぎ賞は、菊花賞でも勝ち負けできるスタミナ血統、あるいはダート血統の馬が好走する傾向のある重賞だけに、スタミナ血統が不在だった今年は、ダート馬レインボーペガサスの好走も特に驚くことではありませんでしたが、それにしても強かった。
タイムは去年と同じ1分48秒8でしたが、展開はスローの中だるみから上がりが速まった去年とは違い、中盤も緩まないで平均的に進み、体力勝負となりました。それだけに、ダート的な要素が求められた一戦と言えます。また馬場差が去年よりも時計半分は掛かっており、価値は今年の方が上です。
しかも、レインボーペガサス自身の配合を考えれば、芝でもまったく問題がない馬なのは自明。距離的には2000mが限界だと思いますが、アグネスデジタル的な香りの漂う馬になってきました。
スマイルジャック(牡、父タニノギムレット、母シーセモア、美浦・小桧山悟)は、以前、評価を下げたのですが、展開や馬場にかかわらずこれだけ堅実に走れるということは、基礎能力はあるということでしょう。ただ反面、詰めの甘さの裏返しとも言えます。どこでも走れるけど勝ち切れない器用貧乏のイメージがありますが、大舞台でもソコソコ突っ込んでくる、
シックスセンス的なキャラがついてきた感があります。
ヤマニンキングリー(牡、母ヤマニンアリーナ、栗東・河内洋)は、アグネスデジタル産駒ということもあって、個人的に本命としていた馬。あと一歩でしたが、この馬は京都の下り坂を利用しないとエンジン点火ができない馬と見ているので、中山ではどうでしょうか。
ブラックシェル(牡、父クロフネ、母オイスターチケット、栗東・松田国英)は、武豊騎手のコメントによればイレ込みが酷かったそうですが、彼自身も今はとにかくスランプです。あと、中山でのローテがきつくて反動が出つつあるのかもしれません。
さて、この辺のクラスに、本番で拮抗してきそうな馬が、1回東京からは続々出てきました。1週目の
レッドシューター(牡、父Red Ransom、母Aspiration、美浦・藤沢和雄)もワクワクさせてくれる馬ですが、先週は日曜5Rを勝った
サイレントフォース(牡、美浦・藤沢和雄)という逸材が登場。タイムはスローペースだったので平凡でしたが、縦長で離れた4番手から、ずっと持ったままで抜けて来て、追いすがる
シンセサイザー(牡、父マンハッタンカフェ、母ハーモナイザー、美浦・畠山吉宏)の脚色を見ながらの封じ込め、とうとう追わないままに上がり34.5秒で押し切ってしまいました。追ってさらに伸びるかどうかはやってみないとわかりませんが、目の前で見ていた印象では、北村騎手が手綱を緩めたら一瞬で弾けていきそうな勢い。これは大物かもしれません。
父はシンボリクリスエス、母はサイレントハピネスという超良血馬。ただフットワークが大きいので、小回りの中山、そして内枠を引いたときは一頓挫ある恐れが大ですが、将来的に2000mベストの名馬に育っていく可能性が大きいです。
あとは土曜の東京、セントポーリア賞に軽く触れておきましょう。勝った
ファビラスボーイ(牡、父ジャングルポケット、美浦・堀井雅広)は、ようやく出現したファビラスラフインの大物候補。前走は時計的には価値が低かったですが、今回は馬場差を考えれば水準級やや上。馬群に怯まない勝負根性が素晴らしい。また3着の牝馬
スペルバインド(父ゴールドアリュール、母デインスカヤ、栗東・長浜博之)は、これ以上馬体が減ってほしくはないですが、今回は骨っぽい牡馬相手に勝ちに行く競馬。動いたのが一番早かった割りには、最後までシッカリ伸びました。オークス一本に絞ったら面白い馬になりそうです。
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