今週から競馬場が替わって中山、阪神、中京の開催が始まります。よって今週は各競馬場の前開催の回顧をしながら、開幕週の狙いについて書いていきたいと思います。
前開催となる1回中山で大きな傾向が見えたのは芝中距離レース。特に最終日に行われたAJCCではトラック調教を本数多く乗った馬が1〜3着を独占しました。このレースは重賞の芝2200mにしては2分13秒6というかなり遅い時計で決着しています。アドマイヤメインというレースをつくる馬が存在し、決してスローペースではなかったことを考えると「時計の掛かる馬場」だったといえるでしょう。
時計が掛かる馬場はスタミナが必要となるので、馬ナリでさっと流すような調教しかやっていない馬には向かず、ある程度の強さを本数多く調教されている必要があるのです。この傾向は続くと思われるので、芝2000m以上で行われる1日目の潮来特別や2日目の水仙賞は、トラック調教を本数多く乗った馬が好走すると予想されます。
重賞は1800mの中山記念ですが、1回中山で行われた500万下より上のクラスの1800mは2鞍しかありませんでした。よってサンプル数の少ない傾向になってしまいますが、3着以内馬6頭のうち5頭がトラック調教馬でした。また過去2年の中山記念の3着以内馬6頭のうち4頭がトラック調教馬だったので、今年の中山記念もトラック調教馬を中心に馬券を組み立てるとよいでしょう。
ダート1200mは中山基本の「坂路で本数多く」が馬券の鍵を握るでしょう。開催前半はやや低調な成績でしたが、後半からはじりじり上昇。最終週に行われた500万下より上のクラスで行われた4鞍では50%の複勝率を維持しました。あと気になる成績を残したのが「連闘馬」でした。ジャニュアリーSを勝ったゼンノコーラルをはじめとして、穴をあけていくのは連闘馬。所属は美浦、栗東問わず好走したのはスパルタ的に競馬に使われることによりモチベーションの上昇なのかも知れません。とにかく人気のない連闘馬には注意を払いましょう。
阪神の開催は2007年の5回以来となります。芝は内回り、外回り問わず「しっかり調教を課された馬」が好走していました。調教馬場の傾向としてはトラックよりは坂路が有利ですが、極端な偏りではありませんでした。それ以上に中2週の馬が1本しか調教していない「本数不足」や、中3週の馬で本数は3本あるけどすべて馬ナリの「馬ナリ系」といった調教内容の軽い馬は、たとえ人気でも危険です。これは覚えておいてください。
重賞はアーリントンCと阪急杯が行われますが、後者は、
競馬総合チャンネル「今週の調教Gメン」で取り上げるとして、3歳マイル重賞の調教の要点をまとめておきましょう。
新しくなった阪神競馬場の外回り1600mで行われたのは昨年が初めて。勝ち馬はトーセンキャプテンでしたが、そのトーセンキャプテンが所属するのは角居厩舎です。実は新装阪神になってから行われた芝1600mの重賞は6レースしかありませんが、4勝2着1回がチーム角居としての成績。これは驚異的なコース相性です。今回は断然人気が予想されるポルトフィーノが出走を予定していますが、このデータからは逆らいようがありません。
ダートに関しては短距離1200、1400mでは「坂路で本数多く」。中距離1800、2000mでは「トラックで一杯」が穴馬券を演出する調教タイプでした。
中京に関しては今週を含めて5週の開催があります。この開催のために待機していた馬もたくさん出走しますので、前開催の調教傾向にとらわれてしまうと痛い目に遭うことがあります。今週行われるレースの結果を来週のこのコラムでじっくり検証しますので、それから来週以降の競馬に活かすようにしましょう。
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