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期待はずれが続々?

  • 2008年03月04日(火) 23時55分
 まずはアーリントンC。ダンツキッスイ(牡、父シンボリクリスエス、母サンフラワーガール、栗東・橋本寿正)の大逃げは11秒台のラップをコンスタントに刻んで、前半1000m通過が58.4秒。外回りの終いの直線の長さを考えれば、かなりのハイペースと言えます。そこで稼いだセーフティリードを守りきって、最後はバタバタになりながらもなんとか振り切りました。時計的には上がりの失速が大きすぎて平凡なタイム。とにもかくにも藤田騎手の作戦勝ちといった印象で、今後へ繋がるものはあまり見えてこないレースになってしまいました。

 もっとも注目を集めたポルトフィーノ(牝、父クロフネ、母エアグルーヴ、栗東・角居勝彦)は惨敗。前走のエルフィンS時にも、ここでは辛口のコメントを出しましたが……。これまでの相手関係、またかなりのスローしか経験していないことで本来ここが試金石。初めてのペースにも戸惑ったし、この流れに乗っていかないように制御したら反発し、頭を上げまくるという、気性の悪さも終始見せていました。大外枠を引いたために壁を作れなかった点はたしかに痛かったですが、逆に言えばまだそこまでの幼さということで、クラシック云々の前に課題が山積み。


 オープンからはもうひと鞍、すみれS。スカーレット一族のキングスエンブレム(牡、父ウォーエンブレム、母スカーレットレディ、栗東・石坂正)が、正攻法から押し切りました。平均ラップを刻んでおり、前に行った馬には体力を要求される展開でした。混戦クラシックの有力候補に間に合った感じ。惜しかったのは、最速の上がりで伸びてきた2着モンテクリスエス(牡、父シンボリクリスエス、母ケイウーマン、栗東・松田国英)。ただ使える脚が短い印象で、その分、前半でどうしても後方待機を余儀なくされるなら、相手に恵まれないと勝つまではなかなか難しいかもしれません。期待されていたファリダット(牡、父Kingmambo、母ビリーヴ、栗東・松元茂樹)は再三指摘しているようにマイラー。昨秋注目を集めた(私もしましたが)フローテーション(牡、父スペシャルウィーク、母ダイイチフローネ、栗東・橋口弘次郎)は現状、力不足のひとことです。


 ある意味、先週はオープンよりも注目されたのが500万下でした。まずは牝馬限定の中山マイル、きんせんか賞。ここでもウォーエンブレム産駒が快勝。放牧明けで迫力ある馬体になって帰ってきたブラックエンブレム(牝、母ヴァンドノワール、美浦・小島茂之)が、中団からのマクリで4馬身も突き放しました。瞬発力と持続力を兼備した脚は見事。相手は弱かったですが、これだけ突き放せば十分です。桜花賞のダークホース。


 日曜の水仙賞は、トライアルへの出走をかけて、ここで高評価した新馬戦、未勝利戦勝ち馬が揃った高レベルなメンバー。しかし期待馬は軒並み裏切ってしまいました(涙)。遅れてのデビューとなった馬たちは、まずは初勝利こそが至急の大命題で、勝ったあとの二の矢が続かないということでしょうか。


 負けた馬から評価していくのも気が引けますが、その「期待馬」から。久々の4着ニシノエモーション(牡、父シンボリクリスエス、母ナドラ、美浦・手塚貴久)は体重こそ増えていませんでしたが、内面的にまだ出来ていなかった感じ。これは次走が正念場。6着ダイワワイルドボア(牡、父アグネスタキオン、母セニョラージェ、美浦・上原博之)は、道中で前が詰まってしまいましたが、脚を余したとまでは言えないかもしれません。これは前走の反動の方が大きかったか。8着ティアップドラゴン(牡、父アグネスタキオン、母ザラストドロップ、美浦・奥平雅士)も、反動に加え、小回り中山は前走でも指摘したように向きません。

 勝ったオリエンタルヨーク(牡、父シンボリクリスエス、母ウィスキーカラー、美浦・大江原哲)は、逃げなくても中団から押し上げる競馬ができたのは驚き。ただ、騎手を引っ張るような形でグイグイ上がっていったことから、距離は今回の2200mまでという印象です。スローながら上がりが掛かった展開にも恵まれたとは思います。皐月賞で期待できるかどうかは、微妙なところでしょう。

 ダートからは、阪神日曜2Rのピイラニハイウェイ(牡、父Silver Deputy、母トロピカルブラッサム、栗東・池江泰郎)が非凡なスピードを見せ付けて、またしても空前の高レベルの砂世代に一枚加わりました。



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