五大クラシックレースの桜花賞、皐月賞、それぞれのトライアル第一弾が終了し、クラシック戦線は一気に加速する如くだ。胸騒ぎを覚える。
チューリップ賞も弥生賞も、ともに本番と同じコースであり同じ距離だから、いくら混迷状況だったからと言っても、この結果は重く受け止めなければならない。もうこの段階である種の決意を固める向きもあるくらいだから。
そこで今のうちに2つのトライアルをしっかり分析しておきたい。それには、まず懐疑的にならなければならない。まず、桜花賞戦線から。阪神JF、チューリップ賞は、ともに本番と同じ条件。ところが、レースの中身は同じではなかった。前者は、牝馬としてはハイペースで前半5Fが58.1秒だったのに対し、後者は、61.3秒というスローペース。この違いは、上位を占めたものの評価に関係する。このレース内容の異なる2つのレースに出走した馬は3頭いて、そのうちトールポピーが1着と2着、オディールが4着と3着、ヤマカツオーキッドが12着と5着になっていた。ここから誰の目にも2歳牝馬チャンピオンが主役とはっきりしている。あとは、本番のペースがどうなるかだ。
そして戦国模様と言われた牡馬クラシック戦線。弥生賞からマイネルチャールズが一歩抜け出した感じだが、皐月賞はもっとペースが速くなる筈だ。弥生賞の1000m通過が61.8秒だったから、2番手でこの流れに乗っていた勝ち馬が戦いやすかったことは明らか。ただ、あの戦いぶりは皐月賞馬にふさわしいもので、中山2000m3連勝の意味が大きい。あとは、2着ブラックシェルを含め、どれだけ本番に向って成長してくれるかだ。そしてもう一点、中山内回りの2000mは、脚質と枠順が勝敗に大きく響くので、そこは油断できない。もっとペースが速くなることとあわせ、牡馬戦線はまだまだというのが結論だ。