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キャラが固まってきましたね

  • 2008年03月25日(火) 18時50分
 今3歳世代は混戦のままレースは続いていきますが、結局答えが見えないままトライアルシリーズが終了。ただし、レースが積み重なったことで、だんだん各馬の特徴のようなものが見えてきた印象はあります。

 まずは土曜阪神の若葉Sです。ここ数年でノーリーズンヴィクトリーなどを出しており、時として本番へ直結するレースではありますが、さすがに今年は厳しそう。

 上位4頭は上がりタイムがほぼ同じ…ということは、道中の位置取りのまま流れ込んだだけということ。スローの逃げ切りだったノットアローン(牡、父アグネスタキオン、母ソニンク、栗東・橋口弘次郎)は、馬体も淋しく見えたので、これ以上の上積みは望めないでしょう。

 むしろ2着ダンツウィニング(牡、父コマンダーインチーフ、母テーケーレディー、栗東・山内研二)の方が、交わせそうで交わせなかったものの、レース運びという点では進境あり。

 キングスエンブレム(牡、母スカーレットレディ、栗東・石坂正)はサッパリわかりません。ウォーエンブレム産駒特有の気の悪さ…ということで片付けていいものかどうか。あるいは後日、異常が発見されるかもしれません。

 モンテクリスエス(牡、父シンボリクリスエス、母ケイウーマン、栗東・松田国英)は、あのスタートの悪癖が直らない限りは、安定した成績は収められないでしょう。


 日曜はスプリングS。重賞勝ち馬が4頭、さらに京成杯2、3着馬に朝日杯2着馬も顔を揃え、メンバーの格としてはここまでの3歳重賞で最高のものとなりました。5F通過60.8秒は平均ペース。前半を逃げ、中盤から2番手に下げたスマイルジャック(牡、父タニノギムレット、母シーセモア、美浦・小桧山悟)が、直線でショウナンアルバ(牡、父ウォーエンブレム、母シャンラン、美浦・二ノ宮敬宇)を差し返して粘り込み。ポッカリ開いたインを捌いたフローテーション(牡、父スペシャルウィーク、母ダイイチフローネ、栗東・橋口弘次郎)の追撃をクビ差凌ぎました。

 まず、この週の中山芝は、とにかく差して来るにしても、インを通らないとどうにもならない馬場だったことは、大前提として押さえておかないといけません。中間の芝刈りと、インコースにローラーを掛けたことが発表されていましたが、その影響がとても大きかったとみます。スマイルジャックはたしかに堅実ではありますが、この馬場に助けられた面もありました。あと、仕上がりきっていたのも気になるところ。本番へ向けては上積みよりも維持が課題となりそうで、これはあまり歓迎すべきことではありません。フローテーションの差しにしても、馬場に関しては同じことが言えます。

 ショウナンアルバは、またしても前半で掛かりました。後半、ハナへ立ってからは落ち着きましたが、前半のロスは響いています。この気性では、やはり2000mでは課題が大きい。以前書いたように、本質はマイラーでしょう。NHKマイルCならまず大本命になる器だとみます。

 アサクサダンディ(牡、父フジキセキ、母ヘルスウォール、美浦・戸田博文)は3コーナー過ぎに包まれたのが響きました。もったいないレース。ただしこちらも基本はマイルでしょう。同様に、ドリームシグナル(牡、父アグネスデジタル、母ダイイチアピール、栗東・西園正都)も一瞬伸びかけましたが、坂を上がってパッタリ止まりました。これも明らかにマイラーです。皐月賞に出るだけの賞金はありますが、これでは厳しいのでは。

 巻き返しが見込めるのは7着レインボーペガサス(牡、父アグネスタキオン、母ギャンブルローズ、栗東・鮫島一歩)。ずっと外を回らされてしまい、しかも仕掛けが遅れました。さらに4コーナーで外に振られる始末。まったく伸びないところを終始走らされています。最後は無理をしておらず、これは明らかに試走のニュアンスが窺えました。ただし、ちょっと不器用そうなのは気に掛かります。本番では枠順にも注意したいところ。あまり内枠になりすぎると、たとえイン有利の馬場になっていても危険なのかもしれません。

 サダムイダテン(牡、父フォーティナイナー、母ウメノダンサー、栗東・中村均)は、距離云々以前の問題。完全に前走の順延騒ぎで馬がボケました。春は休んで立て直してほしいところ。

 アポロドルチェ(牡、父Officer、母Summertime Val、美浦・堀井雅広)も1600mまでの馬。そしてアイティトップ(牡、父マヤノトップガン、母トウキュウアビー、美浦・矢野照正)は、中間のケガによる調整遅れが予想以上に響いたようですね。

 とにかく、若竹賞の上位馬がそのまま順位が入れ替わったとはいえスライドした形。グリーンチャンネルの解説でも申し上げましたが、弥生賞の結果と併せても、1月時点と勢力分布はあまり変わっていないのかもしれません。



 牝馬路線ではフラワーC。こちらはチューリップ賞以上のメンバーの質を誇る顔ぶれとなりました。逃げる気のなかったブラックエンブレム(牝、父ウォーエンブレム、母ヴァンドノワール、美浦・小島茂之)が押し出されるようにハナへ行き、折り合いに苦慮しながらも逃げる形に。ラップのデコボコの大きな、実は逃げ馬にとっては厳しい突かれっぱなしの展開ながら、最後はよくレッドアゲート(牝、父マンハッタンカフェ、母セカンドチャンス、美浦・田村康仁)の追撃を振り切りました。ただし、これで1800mは長いことがハッキリしたので、ブラックエンブレムは一級マイラーと決め付けていいと思います。本番へ向けては、いかにテンションを抑えていくか。陣営は早めに移動して現地に慣らすことも考慮しているようですが。

 2着レッドアゲートは、オークスが楽しみになる走り。桜花賞は賞金が微妙でしょう。残念至極なのはシングライクバード(牝、父シンボリクリスエス、母シングライクトーク、栗東・友道康夫)。ちょっと後ろに構えすぎ。この絶望的な位置取り、しかも、外が伸びない馬場で、スゴい追い込みを決めました。脚力だけなら、世代の牝馬トップ。トールポピー(牝、父ジャングルポケット、母アドマイヤサンデー、栗東・角居勝彦)、オディール(牝、父クロフネ、母キュンティア、栗東・橋口弘次郎)あたりよりは上です。桜花賞出走はかないませんが、ぜひともオークスへ向けて、まずは忘れな草賞で賞金を積んでほしいところです。



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