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この時期でも目が離せない

  • 2008年04月08日(火) 18時50分
 デビューが遅れた、あるいはインフルエンザの入厩のドタバタで七分くらいの仕上がりでデビューを余儀なくされた、仕上がり後れの馬、あるいは急仕上げによる激走の反動で、その後休養しなければならなかった馬…そうした馬たちの中には、ようやくこの時期になって本格化してきたものが出てきています。

 そんな馬の1頭が、土曜中山の山吹賞を勝ったニシノエモーション(牡、母ナドラ、美浦・手塚貴久)。初戦がフサイチアソートの2着、2戦目でレコード勝ち。しかし、そこで反動が出て休養に入り、明けて初戦の前走は、いかにも休み明けという反応の鈍さで4着に終わりました。ダービートライアルの出走へ向けては、今回の山吹賞は絶対に落とせない一戦。しかし同様な思惑のメンバーが多く、例年以上に粒揃いとなりました。

 先週からBコースに替わり、芝の時計の出方が急に速くなりましたが、それを踏まえても2分14秒1は十分及第点、水準やや上のレベルです。父シンボリクリスエスに続く、山吹賞制覇となりました。父はここから青葉賞勝ち、ダービー2着へとつなげましたが、ニシノエモーションもそれを狙えるだけの素材です。ただ以前から書いているように、今年は皐月賞を回避した素質馬が空前のレベルだけに、青葉賞が本当に熾烈な争いとなりそう。それだけに、この馬とてダービーへ出られるかどうかは微妙でしょう。

 なお、2着トリビュートソング(牡、父グラスワンダー、母トレアンサンブル、美浦・尾形充弘)、3着ミヤビベガ(牡、父アドマイヤベガ、母アステオン、美浦・戸田博文)、4着フジヤマラムセス(牡、父ファルブラヴ、母ビューティーメイク、美浦・加藤征弘)までは、オープンへ行ける器。夏場へ向けての成長に期待です。


 NHKマイルCもかなりのレベルになりそうですが、日曜の500万下を差して2馬身以上ちぎったメスナー(牡、母キャニオンステラ、美浦・稲葉隆一)も名乗りを挙げます。ロサード産駒という地味な血統、さらに出遅れ癖が固まってしまって、人気の盲点となっていましたが、好素材のカヴァリーノ(牡、父アグネスタキオン、母タクリーム、美浦・相沢郁)を一蹴したのは驚きです。距離的には1800mでも大丈夫。ラジオNIKKEI賞あたりでも意外な穴馬となり得るでしょう。


 そのマイル路線に、強力な馬が台頭してきました。マーガレットSを圧勝したファリダット(牡、父Kingmambo、母ビリーヴ、栗東・松元茂樹)。これまでクラシックを意識して合わない中距離を使われて惜敗続き。回り道をしてしまいましたが、これでNHKマイルCに間に合いました。1分20秒8は前日の4歳以上1000万下、播磨特別に0.1秒しか劣らないもの。4コーナーは離れた3番手グループの一角から、上がり34.4秒で突き抜けて、差して4馬身離しました。マイルでももちろんやれる血統、本番が楽しみです。


 叩かれて強さを増してきたのは、中山の土曜5Rの未勝利戦を勝ったスーパーウーマン(牝、美浦・高木登)。直線で弾けて、2着を6馬身も突き放したのは圧巻。同日の4歳以上1000万下の隅田川特別より0.2秒速い(1分34秒5)のは高評価となります。血統的には父がマーベラスサンデー、母父アロングオール、さらに在来牝系ですからスピード血統というわけではないですが、今の中山マイルはパワーの適性が重視されているので、この馬の持つ馬力の要素が炸裂したということでしょう。東京でどれだけ走れるかは微妙ですが、福島は間違いなく合うはず。


 あとは阪神日曜5Rの未勝利戦を勝ったファイアレッド(牡、栗東・長浜博之)。フジキセキ×トニービンの配合で、シャダイダンサーの近親。1分34秒8は、前日の3歳500万下を0.6秒上回ります。秋に向けてこれもオープンを狙える馬。


 ダートでは、言うまでもなく伏竜S。ナンヨーリバー(牡、父スキャン、母シアトルギャル、美浦・池上昌弘)が逃げ切ってしまいました。1分53秒0は、この時期の3歳馬としては上級。絡まれなければかなり渋太い馬です。今後、対古馬であっても、そういう展開が見込めるレースなら要注意。2着コロナグラフ(牡、父ジャングルポケット、母フラワーコロネット、栗東・浅見秀一)は、ナンヨーのペースによく付いていきながら、粘りこんだのは高評価。こちらは同型を捌ける粘りがあります。3着ユビキタス(牡、父アグネスデジタル、母パローニアクレスト、美浦・鈴木伸尋)は、4角で膨れたのが痛い。本領は、広い左回りの東京や新潟でしょう。

 4着クリールパッション(牡、父ワイルドラッシュ、母イマジネーション、美浦・相沢郁)は、追い込み勢からただ1頭、勝ち負けに加わったのはさすが。ただし馬体が減り続けているのと、無理をした今回の反動が心配ではありますが、能力はやはり世代のダート戦線の2番手グループにいる馬です。これにより、サクセスブロッケン(牡、父シンボリクリスエス、母サクセスビューティ、栗東・藤原英昭)の強さもよりクローズアップされることになりましたね。



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