今回は皐月賞の回顧がすべてでしょう。結論から言えば、時計的にも見た目にも、まったく低レベルの一戦となってしまいました。
この週の中山は、これまで以上に外がまったく伸びないコンディション。外の芝が異様に長く、インを通らないとどうにもならない馬場でした。
つまりは、これを見越してか偶然か、果敢に逃げたキャプテントゥーレにとって、スタートの時点でほぼ勝利は決まってしまいました。というか、他の騎手が前に行く意思をまったく見せなかったことで決まってしまいました。
3F過ぎから12.5-12.6-12.6-12.8秒と、ここまで緩むラップは条件戦レベル。もちろん、馬場が悪く時計の掛かるコンディションでしたが、それを考慮してもクラシックとしては遅すぎます。それでいて上がりも、ラスト2Fが11.5秒から12.5秒まで落ちているのも、最後の坂を考慮しても落ちすぎ。過去のスローの皐月賞は、いくら坂があってもラストが微減か、年によっては速まっています。
キャプテントゥーレ(牡、父アグネスタキオン、母エアトゥーレ、栗東・森秀行)⇒川田将雅騎手お見事。そのひと言です。調教でも時計が出ており、18kg減は究極の仕上げを施したということでしょう。ただしどうみても、やはりマイラー。ダービーはこんなヌルいレースになるとは思えず、どんなコンディションになっても私は買いません。
※なお、本稿締め切り後にキャプテントゥーレの骨折と全治9か月の診断が発表されました
タケミカヅチ(牡、父ゴールドアリュール、母カズミハルコマ、美浦・大江原哲)⇒枠が大きかった。そのままインにこだわった柴田善臣騎手の好騎乗。
マイネルチャールズ(牡、父ブライアンズタイム、母マイネプリテンダー、美浦・稲葉隆一)⇒道中で包まれてしまい、インを通ろうとしていたものの脚を余しました。騎手がもっと行く意思を見せていれば、勝ったのはこの馬だったでしょう。
レインボーペガサス(牡、父アグネスタキオン、母ギャンブルローズ、栗東・鮫島一歩)⇒よく追い込んできました。このレースだけ見れば、一番強い競馬。ただし距離は限界でしょう。
レッツゴーキリシマ(牡、父メジロライアン、母マルシンアモン、栗東・梅田康雄)⇒これで粘り込めないのは、やはり力が一枚下。
ブラックシェル(牡、母オイスターチケット、栗東・松田国英)⇒これは馬場適性がなし。やはりクロフネ産駒です。距離もこれが限界。
スマイルジャック(牡、父タニノギムレット、母シーセモア、美浦・小桧山悟)⇒前走時に書いたように、スプリングSが本番仕様の仕上げになってしまいました。上積みなし。
ダンツウィニング(牡、父コマンダーインチーフ、母テーケーレディー、栗東・山内研二)⇒出遅れがすべて。個人的な本命馬にしたのも、逃げ先行を見込んでのこと。話にならず。
ショウナンアルバ(牡、父ウォーエンブレム、母シャンラン、美浦・二ノ宮敬宇)⇒折り合いを欠くのは折り込み済み。完全にマイラーです。NHKマイルCなら巻き返せます。蛯名正義騎手は抑えると事前に宣言してくれていたのですから、この間違った戦法自体には何もいうことはありません。
ハッキリしたことは、2、3着はともかく、ダービー1着馬は今後のトライアルから出る……そう確信させてくれました。史上初、青葉賞からのダービー馬が出るのではないでしょうか。その意味では
レッドシューター(牡、父Red Ransom、母Aspiration、美浦・藤沢和雄)のリタイアは残念です。
なお最後に、はなみずき賞の
オースミスパーク(牡、父アドマイヤベガ、母シルクスパークル、栗東・南井克巳)は優秀な時計。今後バリバリ働ける1頭です。

キャプテントゥーレの優勝でランキング大変動!
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