繰り上がりで京都大賞典の勝利をつかんだテイエムオペラオーは、これで重賞勝利数が12となり、スピードシンボリ、オグリキャップに並んでタイ記録となりました。このことは凄いのですが、後味の悪さは残ります。
こうなれば、オペラオーにもうひと踏んばりしてもらい、はっきりと記録を更新してもらうしかありません。
それにしても、ステイゴールドは途中までは闘志を燃やして走っていただけに、惜しいことをしました。肝心なところでちょっと気をゆるめる悪い癖を、育ちの良さからくる淡白な性格と見ていたのですが、ドバイでファンタスティックライトを差したことでなんだか馬がちがってきたみたいです。
このあとの天皇賞で、失格のうっぷん晴らしができるかどうか、こちらだって引き下がるわけにはいかないでしょう。ゴールまできっちり耳をしぼって走り抜く姿を、もう一度見てみたいものです。
ここで本当はナリタトップロードも加わってくるべきでした。
残り100メートルを切りゴールを目前にしての落馬、悲劇の主役になろうとは。勝たせたい、勝ちたいの騎手の思いは大切ですが、斜行がどんな結果を生むか、気を引き締めてかからなければならないことを、しっかりと認識しておくべきでしょう。いずれの立場であろうとも、馬にとってのチャンスは、そう多くは訪れないのです。その場を最大限に生かす騎乗こそ重要ですが、その前提には常にフェアプレイのスピリットがあってこそです。悔やまれることは、絶対にやるべきではないでしょう。
この結果を、喜んで受け入れた者があったのか、それを思うと、京都大賞典はただ残念と言うしかありませんでした。そのぶん、天皇賞の各馬の快走、健闘を祈ります。そしてジャパンCから有馬記念まで、スタンドを興奮させるシーンが続くことも。