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望みは大きい方がいい

  • 2008年05月14日(水) 12時30分
 望みは大きいに越したことはないと、これみんなが思っていること。とにかく望なのだからと。ある面では正しいと言えるのだが、いつまでたっても叶えられないと、そうとばかりは言ってられない。

 競馬には、こうした生き方、考え方の凝縮した姿があり、様々なことを教えてくれる。

 成功と失敗、いや、失敗のくり返しの方が多く、いちいち気にしていたら身が持たないのだが、時々、よく根気が続くものだと感心する。人の生き方と同じで、なかなか奥が深いのだ。

 ここで思い出すのが、大欲は無欲に等しいという言葉だ。無限に描く馬券的中の夢、それもより大きいものをと。いくら望みを大きく持とうとも、他人に迷惑をかけるのではないのだから許される。ただ、結果を受け止め、耐えられるかだけなのだから。

 しかし、こう悲観的にばかり捉えていたら、面白くない。明日は来らずなのだから、その瞬間瞬間を楽しいと思わないと損だ。それに勿体無い。どれだけ楽しめたか、この尺度を大切に思い、真正面からレースに取り組むことにしている。

 NHKマイルCのディープスカイ、ブラックシェルはごく普通に考えれば頭に浮かんできて当たり前で、3着のダノンゴーゴーは、ちょっと遊び心を発揮して探し出すものと言ってしまえば、とても楽ではないか。この楽の部分が面白く、ちょっと摘み喰いをするようなもの。この気分が、その時あるかどうかで、世の中には、実に上手に遊べる人がいる。

 大欲はあって当然、だがそればかりでは無欲に等しいを戒めとして、とにかく楽に遊ぶことが出来たらと、何故かこんな不思議な心境になっている。

 機に応じて知恵をはたらかせた一休さんにあやかって、迷ったらひと休み、ひと休みの呼吸で、今度はヴィクトリアマイルへいざ。でも、やっぱり望みは大きいほうがいい。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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