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プリント重賞の覇者がマイル戦でも輝いた。サマーマイルシリーズ開幕戦「第63回
中京記念・GIII」(芝1600m)は26日、中京11Rに16頭で争われ、好位を追走した6番人気の
スマートオリオン(美浦・鹿戸)が直線で力強く抜け出し、14年
オーシャンS以来の重賞タイトルを獲得した。勝ちタイムは1分33秒4。首差の2着は13番人気の
アルマディヴァン、さらに首差の3着には3番人気の
ダローネガが入った。なお、先行した1番人気の
カレンブラックヒルは直線で伸びを欠いて7着に敗れた。
汗の飛び散るゴール前。一歩も引けない場面で、迫り来る後続の蹄音をふりほどく。
M.デムーロのゲキに応えた
スマートオリオンが、気温35度オーバーという文字通りの熱戦を制した。
コンビを組むのは13年12月の1000万特別V以来1年7カ月ぶり。「久しぶりに乗りましたが、強かったですね。素晴らしいポジションで競馬ができて、最後は一杯になりながら頑張ってくれました」。課題と思われた折り合いを見事にクリア。粘り強さを引き出した名手は、大粒の汗を笑顔でぬぐった。
芝6F戦で5勝。これまではス
プリンターのイメージが強かった
オリオンだが、前走で7Fを乗り越え、さらにマイルも制圧。選択肢の広がる貴重な1勝を福島競馬場で見届けた鹿戸師は「理想的な競馬ができた。折り合いさえつけば、距離はこなせると思っていました。体調と相談しながら
関屋記念(8月16日・新潟、芝1600m)へ」と声を弾ませた。
シリーズ第1戦を制して10ポイントをゲット。新境地を開いた
グラスワンダー産駒が、夏のマイル王の座を視界に捉えた。
提供:デイリースポーツ