樫の女王の貫禄が不意に生じた誤算をはねのけた。池江師が
ミッキークイーンに課した最終デモは栗東CWでの単走追いだが、気分良く走るその背後から他厩舎の2頭が忍び寄り、4角手前では馬体が重なった。一瞬、不穏な空気が流れたが、GIゼッケンを身にまとった女王の肝は太かった。ムキになることは一切なく、逆に1馬身突き放してフィニッシュを決めた。
「3頭併せになってしまったけど、それに動じず、折り合いもついていたからね。幸いオーバーワークになることも、
テンションが上がることもなかったよ。思い描いていた通りの感じできている」と指揮官は胸をなで下ろす。調教メニューこそ狂ったが、4F54秒1(3F39秒2)という時計はほぼ予定通り。ラスト1Fも12秒2と鋭い脚を使っており、態勢は整った。
春は思うように疲れが抜けず、右トモや右腰に痛みを残していたが、それも夏の放牧でリフレッシュ。「馬体重はプラス8キロくらいと、それほど変わらないが、体高は伸びた。カイバも食べているし体調もいいよ」と状態の良さを強調。1週前の追い切りに騎乗した浜中も「問題ありませんね。無事に夏を越してくれました」と好感触を口にした。
注目される秋初戦。1番人気も予想されるが、主戦に気負いは見られない。「本番につながるメンバーがそろいましたが、
ミッキークイーンらしい走りをしてくれれば、おのずと結果はついてくると思っています」とキッパリ。前哨戦から力の違いを示すつもりだ。
提供:デイリースポーツ