競馬界に衝撃が走った。13年の
日本ダービー馬で、
天皇賞・秋(11月1日・東京、芝2000m)での復帰を目指していた
キズナ(牡5歳、栗東・佐々木)が20日、右前繋部浅屈腱炎を発症したため現役を引退することが決まった。今後は種牡馬に転身する予定だが、けい養先などは未定となっている。
今春の天皇賞7着後は
凱旋門賞・仏GIへの挑戦を見送り、秋の国内戦での反撃を誓って放牧へ。18日に栗東へ帰厩し、本格的な調整を進めようとしていた矢先に、脚元に不安が発生してしまった。
武豊の手綱でダービー馬に輝き、同年秋にはフランスへ遠征。初戦のニエル賞・仏GIIを制すると、
オルフェーヴル(2着)とともに日本馬初Vを目指した
凱旋門賞でも見せ場十分の4着に好走した。さらに、14年初戦の
大阪杯も完勝。ここまでは順風満帆だった。
だが、続く
天皇賞・春(4着)でレース中に左第3手根骨骨折を発症して長期休養を余儀なくされると、今年2月の
京都記念(3着)での復帰以降も3連敗。本来の輝きを取り戻せないまま、ターフを去ることになった。
通算成績は14戦7勝(うち海外2戦1勝、重賞はGI1勝を含む5勝)で、獲得賞金は5億1595万5800円(うち海外3955万6800円)。佐々木師は「オーナーと相談の結果、引退させることとなりました。ファンが多い馬だったので非常に残念です」と語り、
武豊も「復帰を楽しみにしていただけに非常に残念です」と肩を落とした。
提供:デイリースポーツ