菊花賞トライアル「第69回
セントライト記念・GII」(芝2200m)は21日、中山11Rに15頭で争われ、2番手から抜け出した
キタサンブラック(栗東・清水久)が2分13秒8のタイムで快勝。春は
スプリングSを制し、
皐月賞でも3着に入った実力馬が6番人気の低評価を覆した。3/4馬身差の2着は逃げて粘り込んだ9番人気の
ミュゼエイリアン、さらに頭差の3着には10番人気の
ジュンツバサ。この上位3頭が
菊花賞(10月25日・京都、芝3000m)への優先出走権を獲得。なお、1番人気に推されたダービー2着馬
サトノラーゼンは中団から運んだものの、しまいの伸びを欠いて7着に終わった。
「緩いペースで行きたがっていたけど、最後まで頑張ってくれました」。コンビを組んで3勝目となった北村宏は、長所でもある相棒の踏ん張りをたたえた。
この日は休み明けで、デビュー以来最高体重となる532キロでの出走。鞍上が「夏を越して実が入りドッシリしました」と確かな成長に目を細めれば、清水久師も「(12キロの)増加分はほぼ成長分。今回はかなり調教を積んだのですが、馬がよく辛抱してくれました」と胸を張った。
次はもちろん
菊花賞、3000mの淀の長丁場へ向かう。母父が短距離王
サクラバクシンオーということもあり、戦前には距離不安がささやかれていたが、主戦は「自分のリズムで行ければ大丈夫」と力強くうなずいた。
2冠馬
ドゥラメンテ不在で混戦模様の牡馬クラシックラスト1冠。春に王道を歩んだ実力馬が、演歌の花道ならぬ、栄光の花道へと一直線に突き進む。
提供:デイリースポーツ