今週もルメールの手綱がさえた。
菊花賞トライアル「第63回
神戸新聞杯・GII」(芝2400m)は27日、阪神11Rに15頭で争われ、先手を奪った3番人気の
リアファル(栗東・音無)が後続を寄せつけずに逃げ切りV。菊取りへ名乗りを上げた。鞍上のルメールは先週の
ローズSに続いての
トライアルV。勝ちタイムは2分26秒7。スタート良く飛び出すと、5F通過が1分2秒4とマイペースの逃げを展開。直線に向くと後続をスッと引き離し、上がりを34秒1にまとめて悠々とフィニッシュした。1番人気の
リアルスティールは2馬身差の2着。中団からスムーズな競馬はできたが、差を詰め切れなかった。さらに2馬身半差の3着に入った7番人気の
トーセンバジルまでが
菊花賞(10月25日・京都、芝3000m)への優先出走権を手にした。
自らの判断で勝利を手繰り寄せた。ルメールはトレーナーから「行く馬がいるので控えてもいい」と言われていたが、好発を切ると迷わずハナに立つ。「
リラックスして前に行けた。直線に向いてもしっかり走ってくれた。スタミナがすごい」と、危なげのない完勝に舌を巻く。
これで芝へ転向後は2戦2勝だ。春は
若葉Sへの出走も検討されたが、ソエの影響で自重。僚馬で、ダート重賞3勝馬
クリソライトの異父弟という血統や、脚元の負担を考慮し砂路線を歩んだ。5月の鳳雛S3着後に休養を挟み、ソエの完治を待っての芝挑戦。音無師は「もともと芝でという気持ちはあった。
クリソライトは
ゴールドアリュール産駒だが、この馬は
ゼンノロブロイ産駒だしね」と頬を緩めた。
次戦はもちろん
菊花賞へ。音無師にとっては、08年
オウケンブルースリ以来の2勝目がかかる。「(
神戸新聞杯3着からの臨戦だったブ
ルースリと違い)今回は
トライアルを勝って、胸を張って行ける」と手応え十分。ルメールも「この秋はGIを勝てるチャンスのある馬に乗れるし、楽しみ」と声を弾ませた。新星が、一気に世代の頂点まで駆け上がる。
提供:デイリースポーツ