ベルカントの最終リハは栗東坂路。馬場開門から約40分過ぎの踏み荒らされた馬場をモノともせず、序盤からしっかりスピードに乗る。豪快にウッドチップを跳ね上げ、内ラチ沿いを真一文字に登坂。最後も気合をつけられた程度でシャープな伸びを見せ、4F52秒1-37秒2-11秒7をマークした。
角田師は「非常にいい動き。楽に気持ち良く走れた。連勝の状態をキープできています」と言い切る。上半期は、
シルクロードS12着-
コーラルS13着と自身初の2戦連続2桁着順など低迷期を経験。試行錯誤を重ねたが「2、3歳の成績が良かった時のピリピリした感じに戻そうと、牧場にもいじめてくれと頼んだ。体が増えて良くなりました」と復活を喜ぶ。
アイビスSD-
北九州記念と重賞を連勝。サ
マースプリントシリーズの王者に輝いた。
武豊は「春は結果が出なくてどうしたのかなと思ったが、夏からこの馬の良さが戻ってきた。もともとスピードとス
プリント能力は持っていたので」と確かな手応えをつかむ。
北九州記念でのVが鞍上にとっては
JRA重賞通算299勝目。会見で、GIでの300勝達成に向けた意気込みを問われると「土曜(阪神の
シリウスS=
アウォーディー)にできればいいんですけどね」と冷静に受け流し、周囲を笑わせた。もちろん、大一番を前に気合は十分。「去年のこのレースで(0秒1差の)5着だった時から、来年が楽しみだと思った。この馬にとっての大目標。いい形でレースに向かえるのは何より」と力強い。
結果次第で、暮れは
香港スプリント・香港GI(12月13日・シャティン、芝1200m)への挑戦プランがある。名手の手綱で
ビッグタイトルを獲得し、世界挑戦への大きな一歩を踏み出す。
提供:デイリースポーツ