世界を転戦する香港の7歳馬
リッチタペストリーは淡々と調教をこなした。初コンタクトを求めて中山に駆けつけたルメールを背に、芝外回りで単走追い。ダート馬と見間違うほど迫力満点の馬体を揺らしながら、4F53秒5-38秒5-12秒8で楽々と駆け抜けた。走り、数字に特別なインパクトはなくとも、落ち着き払った姿からは順調な調整ぶりがうかがえる。
「世界を駆け回っているだけある。さすがだね。かなり
リラックスしていた」と鞍上はキャリア豊富なベテランの背中に頼もしさを覚える。勝ち鞍(計7勝)の内訳は愛国、米国、香港、ドバイと幅広い。「乗りやすい。残り200mでプレッシャーを掛けた時のしぐさがいい。ス
トライドも伸びた」と仕上がりにも合格点だ。
世界の名手は既に“人脈”を駆使して情報を収集済み。14年以降の全7レースで騎乗してきたドゥルーズは友人だという。「電話したよ。前、後ろと自由に位置を取れると聞いた。直線は素直で100%の力を出すってね」。実際に操縦性の高さを体感し「オプションは多い」と強みを口にする。
昨年10月にはダート6Fの米GI・サンタ
アニタス
プリント選手権Sを制覇。外見からも硬い芝への対応力は微妙に映るが「良馬場が合いそう。でも
ジャスティン(助手)は渋った方がいいって。それも信じるよ」と晴雨兼用をアピール。
ローズS(
タッチングスピーチ)、
神戸新聞杯(
リアファル)と2週連続で重賞Vを決めている絶好調の鞍上は、自信の笑みを浮かべて中山を後にした。
提供:デイリースポーツ