オークス(GI)以来となる
キャットコイン(牝3・美浦・二ノ宮敬宇)が、ポリトラックコースで併せ馬の追い切りを消化した。追い切り後、二ノ宮敬宇調教師と
柴田善臣騎手の共同記者会見が行われた。
■二ノ宮敬宇調教師
(春のクラシック、
桜花賞・7着と
オークス・12着を振り返って)
「この馬には向いていないレースでしたから、少し可哀想でした。ゲートの問題などを含めて消化不良でしたから、今回はこの馬に合ったレースができればと思います」
(調整過程について)
「前走後はすぐに牧場に持って行き、まず馬体を回復させるということを第一にして、ゆっくり乗り出してもらいました。
トライアルを使うと、間隔的にも回復途上の間に出走させなければならないということもあり、
秋華賞を目標に体重を増やしながら調教を積んできました。今年だけではないので、そういうことも含めて
秋華賞を目標に決めさせてもらいました」
(ここまで順調に?)
「馬体重の増減が激しい馬なので、その点を気をつけて調整しました。だいぶ慣れてきたのか、日々の仕草もだいぶ落ち着いてやりやすくなってきましたね。春先と比べて、精神的にも随分落ち着きが出てきたと思います」
(最終追い切りについて)
「ここを目標に階段を上がってきました。先週もジョッキー(
柴田善臣騎手)が乗ったのですが、もう少し息を作りたいなと思いましたので、今週もう1回騎手が乗って、前に馬を置いて終いどのくらいの感触なのかを確認してもらいました。意外と体も減っていませんし、良い感じの追い切りができたと思います」
(今回は春以来の長距離輸送になるが?)
「
桜花賞の時はまだ幼い面がありましたので、早めに栗東に滞在させてもらいました。競馬場に置いておくと少しうるさくなりますので、今回は前日輸送にしました。輸送はさほど下手ではないので、あまり心配はしていません」
(ゲートについて)
「最初の頃は非常にゲートで苦労した馬ですし、慎重にやっています。先週もゲートの練習をしましたけど、とても落ち着いていました。長く待たされなければ落ち着いていられそうですが、油断はできないと思っています」
(レースプランについて)
「これは騎手が判断することですからね。百戦錬磨のジョッキーですし、それを信じて任せます」
(意気込みを)
「春と比べても、良い状態になっています。この馬に合ったレースをして、無事に走ってもらいたいと思います」
■
柴田善臣騎手(春のクラシックを振り返って)
「元々細い馬なのですが、栗東への輸送などがあって、その頃から少し貧弱に見えました。それがレースの結果に出ていますし、
オークスの時は気性的にも前向きさがなくて、レース自体が嫌になっているような動きでした。そのあたりを考えれば、今の調教の感じは良いですね」
(先週、今週の追い切りについて)
「体のことを考えて、控えめ控えめのスケジュールになりました。それもあって息の入りが悪くて少し足りないかなという感じがしたので、今週は先週よりきつめのメニューにしましたが、先週やった分もあって、息も感触も良かったですね」
(京都の芝2000mのレースになるが?)
「普通に馬のリズムを崩さずにレースを運べれば、それなりに力を出せるのではないかと思っています」
(メンバーについて)
「夏に力をつけてきた馬、本格化に近づいてきた馬もいます。僕の馬自身も春に力のあるところを見せていました。それぞれが、馬の状態を
ピークに持っていけるかどうかの戦いになると思います」
(具体的なレースのイメージは?)
「これから考えますけど、レース当日にどのような雰囲気になるか。またスタートでどのくらい出遅れるのか。その状況状況で、馬をレースの流れにうまく乗せてあげたいですね」
(この馬の長所は?)
「普段はうるさくて神経を遣う馬なのですが、レースではキッチリ力を出してくれます。力のある馬だということは分かっていますし、それをレースで楽しむということじゃないですかね。レースで人間の言うことをきかずにうるさいだけだったら手を焼きますが、何もなければ本番ではちゃんと力通りに走ってくれますし、そのあたりが可愛いところですね」
(意気込みを)
「春のクラシックは状態自体が落ちていたような感じです。休養を挟んで、かなり体がフックラして気持ちもリフレッシュできたようなので、期待しています。頑張りたいと思います」
(取材・写真:佐々木祥恵)