膝をしっかりと上げてチップをかき込む。首を巧みに使ってリズムを刻んでいくその動きは、どこまでもしなやかな。そして力強い。栗東CW。数多くのカメラの被写体となった
ミッキークイーンはダイレクトに体調の良さを訴えかけてきた。
落ち着いた様子でスピードを上げる。鞍上の手が小刻みに動くと素早く反応。グッとス
トライドを伸ばして極上の加速を示した。全身を使った弾むようなフットワークで4F54秒3-39秒3-11秒9。隙のない仕上げが完結した。「(予定していた通り)サラッと流す程度でしたが、ひと叩きして体調はアップしている、という印象を受けました。筋肉の張りが出てきて、中身が違ってきたように思います」。秋2戦目。1度使ったことで上乗せできた部分は大きい。見届けた池江師は、共同会見で現状をこう分析した。
前哨戦の
ローズSは、出遅れて最後方からの競馬を強いられながらの2着。最良の結果は得られなかったが、メンバー最速の上がり3F33秒8を記録し、
オークス馬の
プライドを守った。「直線半ばでは、差し切れるかなというような勢いだったのですが…。最後に末脚が鈍ったのは、休み明けだったことと、良馬場発表でも少し荒れていて重たい馬場が合わなかったからでしょう」。それでも安定感を失わなかった事実。指揮官はむしろ自信を深めた様子だった。
あとは、ゲート。浮かび上がったウイークポイントを消す対策を、この中間は講じてきた、とトレーナーは話す。「ゲート練習だけではなく、それ以外のところもトータルでストレスをかけないようにやってきました。期待にしっかりと応えて、2冠をゲットしたい。そう思っています」。スタートを五分に飛び出せば、高い操縦性が求められる京都内回りの2000mであっても、攻略は可能だろう。さあ、最終決戦へ。2冠制覇への道筋が、はっきりと見えてきた。
提供:デイリースポーツ