この夏急成長を遂げた上がり馬
リアファルが、一点の曇りもない仕上がりで戦国
菊花賞の天下獲りを猛烈にアピールした。
最終リハは栗東坂路で僚馬の
ブラックスピネル(2歳500万下)と併せ馬。ピタリと折り合いラスト400m地点をパス。鞍上の指示通りに
ギアチェンジを決めると、力強くス
トライドを伸ばし続けた。最後は馬体を並べたまま、真っすぐにゴールラインを越え、4F51秒6-38秒1-12秒9。ラストは一杯に追い、それにきっちり応えたパートナーの走りに「動きは良かった。馬のコンディション的にも満足しています」と、手綱を取ったルメールは満点の評価を与えた。
転機は中京で行われた2走前の準オープン特別・
マレーシアC。デビューから一貫してダートを使われてきたが、初めての芝レースに挑戦した。5番人気の伏兵扱いだったが、マイペースの逃げを打つと、そのまま悠々と逃げ切り。強力な古馬勢を撃破したことで一気に視界は開けた。
続く
神戸新聞杯も単騎逃げから、影をも踏ませぬ逃走劇。
皐月賞2着、ダービー4着の春の実績から断然人気を集めていた
リアルスティールに、2馬身という決定的な差をつけた。「中京でもいいレースをしていたので自信を持って乗りました。いいレースができたと思います」と鞍上は振り返る。芝に路線を変更後、わずか2戦で同世代のトップクラスを撃破。この勢いはもう止まらない。
菊本番でも逃げ切りVを決めれば、98年
セイウンスカイ以来となる。17年ぶりの偉業挑戦にも戦法に迷いはない。「スタミナがあって能力も高いので何の不安もない。スタートが良くてレースをコントロールすることできるから、自分の
スタイルを変えるつもりはありません」。菊初参戦となるフランスの名手は力強く言い切った。遅れてきた大物が、淀の名物マラソンレースを“圧逃”してみせる。
提供:デイリースポーツ