武蔵野ステークスはデビューから4戦4勝の
モーニンに注目だ。
モーニンは2014年3月にアメリカで行われた2歳のトレーニングセールで335,000ドル(1米ドル100円換算で3350万円相当)で落札された外国産馬だ。一般的にトレーニングセールへ出品される馬はセリの段階で十分に仕上げられる。石坂師いわく、
モーニンもその例外ではなく大きな反動が見られたようだ。
「来日後、体が緩むわけですよね。特にこの馬の場合、本当にクタクタになってしまった。一時は『競走馬になるのかな?』というほど疲れ果てていました」
その影響ですべてのスケジュールが遅れた。当然、栗東トレセンへやってくるのも遅くなってしまった。
「それでも、調教をやりだしたら『これは走るな』という手ごたえを感じました」
新馬戦でのデビューは間に合わず、5月16日の未勝利戦が一戦目となった。
「思ったとおり、すごく強い勝ち方でした」
その後は500万の平場で2勝目、1000万下の
新涼特別で3勝目を挙げ、準オープンの
秋嶺ステークスへと駒を進めた。
「レース前は1600mという距離は少し長いかな?と思っていましたが、未勝利戦で見せたような圧倒的な強さを見せてくれました。本当に強い勝ち方をしてくれたので、すぐに武蔵野に行こうと決めました」
4戦4勝と無傷で重賞へと突き進む
モーニン。素顔はとても大人しいのだそうだ。
「それでも、競馬にいったら見事な競馬をしてくれます。最終追い切りは単走でしたが、本当にいい動きでした。順調にきています」
武蔵野ステークスにはGI馬
グレープブランデーなど重賞勝ち馬が出走する。これまで以上にクラスの壁は厚い。それでも石坂師の期待は高まるばかりだ。
「
武蔵野ステークスをクリアできたら、来年はもっと大きなレースに出れる。そういう馬じゃないかな、と思っています」
(取材・文:花岡貴子)