3600mの
ステイヤーズS(GII)を勝って
有馬記念に駒を進めてきた
アルバート(牡4・美浦・
堀宣行)が、24日(木)、ウッドチップコースで最終調整を行い、追い切り後に堀調教師が共同記者会見に臨んだ。
(最終追い切りについて)
「夏からずっと使っている馬なので、最終調整は走りの中での体の
バランス、終いのメンタル面のチェックという形で行いました。テンは首くらい突っ込んで、その中で折り合いをつけました。前の馬に対する配慮がなくて少し抜け出すような形になってしまって、あまり良い併せ馬ではありませんでしたが、
バランスも良く、終いまでしっかり走っていました。前走と同じような状態を維持しているという感じがします」
(前走からここまでの過程は?)
「どのレースの後もそうですけど、レース後の回復具合と次のレースを使った場合のレース後の想定を考えます。特に今回は長丁場を使った後ですし、
有馬記念を使えばGIで厳しいレースが予想されますので、そのあたりの見極めには十分時間をかけさせて頂いて、最終的に出走する方向で調整しようと決めたのは先週の金曜日です。
前走後の状態に関しては、長丁場でしたが、レースを終えて上がってきた後の息の入りが非常に良かったので、好印象は持っていました。ライアン・ムーア騎手が、人馬一体で負担のかからないレースをしてくれたおかげだと思います。その後は厩舎でしっかり状態の確認をしましたけど、中間少し皮膚病が出始めてやはり体調が落ちているのかなと思いましたけど、治療を施すとほどなく回復していったので、これならと思いました。
GIを使った後に状態をあまりにも落としてしまっても仕方ないと思いますので、その辺の見極めに十分時間をかけさせて頂いて、そちらの方も問題ないということで、先週の日曜日から少し速いところをやって、今日は見ての通り追い切りを終えております」
(破竹の4連勝になるが、以前と比べて変わった点、伸びた点は?)
「函館を使う前に半年ほどの休みを頂いて、そこでノーザン
ファームしがらきのスタッフとこの馬のウイークポイントの改善をしっかり取り組みました。この休みで状態が良くなっていたということが、一番の大きな要素だと思います。以前はトモに弱さがあり、それをかばうためにハミ受けが悪く、人馬の折り合いも悪くてイライラするようなことがあって、競馬を使い込むごとにパフォーマンスを落としていったのですけど、今回トモの状態がしっかり良くなったので、使いながら充実してきたなという印象があります」
(前走の
ステイヤーズSを振り返って)
「非常に長い距離のレースなので、まだ半信半疑の部分があったのですけど、ジョッキーの技術もあって完璧に乗ってもらえたと思っています。特に次につながるレースができたということが、1番大きかったのではないかなと思います」
(コース適性、距離適性は?)
「良くなったとはいえ、まだトモの
バランスを欠く状態でハミ受けに少し癖がありますので、自分のリズムに乗るまでに少し時間がかかります。中山の2500mは勝負どころまで十分距離がありますので、そういった意味でもこの馬の能力を出せる舞台設定だと思います」
(結果を出すための理想のレース運びは?)
「少し気難しいところのある馬ですが、走る方に向けば終いは爆発力のある末脚を持っていますので、自分のリズムを守って自分で動けるような態勢を取ることが重要だと思っています」
(2走前に
比叡Sで勝った時のアッゼニ騎手が鞍上になるが?)
「私が多くを語る要素はまだ持っておりませんが、良いジョッキーだと思っています。当初重馬場は不得意かなという印象を持っていました。リズムを崩すと気性が悪い方に向かって終いがしっかり走れないというところがあり、特に重馬場だとそういった面が際立つという意味で、重い馬場は不得意だと思っていました。しかし
比叡Sではしっかり気持ちのコントロールをつけて終いの爆発力につなげていますので、そういった意味では制御できていますし、相性は良いのではないかなと思います」
(メンバーが強くなるが、期待のほどを)
「付け入る隙はあるのではないかなと感じています。その辺も出走を決める大きな要素の一つでした。大きな期待感を持って出走させたいと思います」
(取材・写真:佐々木祥恵)