2015年の
中央競馬最後の大一番「第60回
有馬記念・GI」(芝2500m)は27日、中山10Rに16頭で争われ、8番人気の伏兵
ゴールドアクター(美浦・中川)が、破竹の4連勝で
グランプリ戴冠を果たし、初のGIタイトルを獲得した。道中は絶好位3番手のインでジッと我慢。4コーナーで外めに持ち出す正攻法のレース運びで直線へ。坂を上がって内の2頭をパスすると、外から襲いかかってきた5番人気
サウンズオブアース(2着)の追撃を首差しのいでゴール。歴戦の強豪を撃破し大金星を挙げた。勝ちタイムは2分33秒0。2着から3/4馬身差の3着には4番人気の
菊花賞馬
キタサンブラックが入った。なお、1番人気の
ゴールドシップは向正面で外から一気にまくって進出したが、直線で伸びを欠き8着に終わった。
馬上で左手を上げて大きく
ガッツポーズを決め、吉田隼は人馬ともに初GI制覇を決めた喜びを爆発させる。「GIジョッキーになりたいと思って、この業界に入ってきた。ここまでくじけずにやってきて良かった」。デビュー12年目の32歳は喜びをかみしめた。
開業10年目でのうれしいGI初勝利となった中川師は「まだ正直実感が沸きません」と感無量の様子。主戦の完璧なエスコートに「彼ならこの馬のいいところを引き出してくれると思っていました」と信頼を口にした。「この馬は今後もさらに強くなる。大切に使っていきたいですね」と、
天皇賞・春(5月1日・京都、芝3200m)が目標となる来春へ目を向ける。
最高のパートナーを背に“名優”は本格化を迎えた。今度は追う立場から追われる立場へ。それでも、一度つかんだ主役の座は譲らない。
提供:デイリースポーツ