混戦を制した。「第32回
フェアリーS・GIII」(芝1600m)は11日、中山11Rに16頭で争われ、3番人気の
ビービーバーレル(美浦・中舘)が1分34秒3のタイムで逃げ切り勝ちを収めた。1馬身3/4差の2着は好位のインで脚をためていた10番人気の
ダイワドレッサー、さらに3/4馬身差の3着には7番人気の
ダイワダッチェスが続いた。
完勝だった。ハナを奪った
ビービーバーレルの脚色は、直線に入っても衰えない。そのまま後続の追撃を完封し、重賞初制覇を鮮やかな逃走劇で決めた。
「“逃げてもいい”と先生(中舘師)からは言われていました。いいリズムで最初のコーナーを回れて、そのリズムを切らさずに直線に向けました」と
石橋脩はしてやったりの表情。
一方、中舘師は昨年の開業以来、のべ3頭目の重賞挑戦で初のタイトル獲得。「後ろから何かが来る気がして。直線で、周り(にいた調教師)からは“もう大丈夫、もう大丈夫”と言われたけど、この立場になって競馬を見るとそう思えないものだね」とホッとした表情。「頑張ってくれた。強かった」とうなずいた。
次走は未定だが、もちろん目標は
桜花賞(4月10日・阪神、芝1600m)だ。「まだ挑戦者の立場だが、自在に立ち回れる器用さがあるので」と胸を張る。かつての逃げの名手が、牝馬クラシック戦線に自身と同様の“個性派”を送り込む。
提供:デイリースポーツ