27日(水)、
川崎競馬場(晴、良)で第65回
川崎記念(JpnI)が行われ、1番人気の
ホッコータルマエ(
JRA)が、2番人気の
サウンドトゥルー(
JRA)の追い比べをアタマ差制してGI・10勝目を挙げた。
レースは好スタートを切った
サミットストーン(船橋)がやや離し気味の逃げに持ち込み、
マイネルバイカ(
JRA)、
パッションダンス(
JRA)が追走。大きく離れた4番手に
ホッコータルマエ。3番人気の
アムールブリエ(
JRA)、
サウンドトゥルーは中団につけ、
カゼノコ(
JRA)は後方からの競馬となった。
2周目4コーナーで逃げた
サミットストーンを早めに交わしに出た
マイネルバイカを追って、
ホッコータルマエと
サウンドトゥルーが一気に差を詰め、
アムールブリエも前を追った。
直線では先に抜け出した
マイネルバイカの外から、先に
ホッコータルマエが交わして先頭に立ち、
サウンドトゥルーが並びかけ、ゴールまで追い比べが続いた。最後は
ホッコータルマエがわずかにアタマ差、
サウンドトゥルーを振り切った。タイムは2分14秒1。3着には
アムールブリエが入り、先行した
マイネルバイカが4着、
カゼノコが追い込んで5着と、
JRA勢が掲示板圏内を占めた。地方馬の最先着は6着の
ケイアイレオーネ(大井)だった。
ホッコータルマエは
父キングカメハメハ、
母マダムチェロキー(母
父Cherokee Run)の牡7歳・鹿毛。
JRA栗東・西浦勝一厩舎所属。2012年1月デビュー。同年8月の
レパードS(新潟・GIII)で重賞初制覇を決め、ダート路線で頭角を現す。2013年には
佐賀記念(佐賀・JpnIII)から5連勝を飾り、
かしわ記念(船橋・JpnI)、
帝王賞(大井・JpnI)を制覇。その後も、ダート路線の頂点に君臨。昨秋は
JBCクラシック(大井・JpnI)3着、
チャンピオンズC(中京・GI)5着、
東京大賞典(大井・GI)2着と連敗を喫したが、2016年初戦のこのレースを勝利し、
川崎記念3連覇とともにGI・10勝の記録を達成した。通算33戦17勝(中央17戦6勝)。
川崎記念3連覇は1985〜1987年の
カウンテスアップ(大井)以来2頭目。
【レース後のコメント】
1着
ホッコータルマエ(
幸英明騎手)
「GI・10勝までに時間がかかりましたが嬉しいです。私はいつもウイニングランをしないのですが、今日は
テンションが上がって、ウイニングランをしました。前走、前々走もいい状態でしたし、いい意味で平行線でした。前で競馬をしようと思っていましたが、
サウンドトゥルーにはずっと負けていたので、それを意識して競馬をしました。
サウンドトゥルーがいつもより早めに動いてきましたが、この馬もいい脚を使うので、遅れないように一緒に動きました。手応え十分で、最後までしっかりと伸びてくれました。
川崎記念はそんなに離して勝つことはありませんが、渋太く頑張ってくれました。嬉しい気持ちと、ホッとした気持ちです。これからも気を引き締めて頑張っていきたいと思います。弱点がなく、すべてにおいて高いレベルで丈夫な馬です。先生からは今後について何も聞いていませんが、今年もいい結果を残せたらと思います」
(西浦勝一調教師)
「やっとここまで来れたというのが本音です。それだけ応援してくれたファンに感謝の気持ちで一杯です。秋になってから、GI・10勝という数字が頭から離れなかったので、なんとか早く達成させてあげたいと思っていました。力があるのに、なかなか勝ちきれない、もどかしいレースが続いていました。戦うたびに状態を上げて、この馬には頭が下がる思いで一杯です。ジョッキーとは、レースのことは一切話していませんでしたが、幸騎手が馬を信じて、焦ることなく、ちょうどいいタイミングで乗ってくれました。安心して見ていられました。最後は、頑張れと思って、馬を信じてみていました。『やった』という感じです。今後はドバイへ向けて準備して、なんとか昨年よりいい成績で帰ってきてほしいと思います」
2着
サウンドトゥルー(
大野拓弥騎手)
「思い通りの位置につけられましたが、最後は相手のしぶとさに負けました」
3着
アムールブリエ(
浜中俊騎手)
「前2頭は牡馬の一線級でしたし、それを相手によく頑張ってくれました。距離は長ければ長いほど良いです」
4着
マイネルバイカ(
柴田大知騎手)
「がんばっています。3着に残ったかなと思いましたが、悔しいです。ミルコの馬に突かれてしまいました。楽な2番手だったらよかったのですが、厳しい競馬でした。しかしこの馬も具合がよく、力をつけています」
5着
カゼノコ(
秋山真一郎騎手)
「今日はずっと左手前で走っていました。どこも手前を変えるところがありませんでした。普段は変えてくれるんですが、見えない疲れがあったかもしれません。その中ではいいパフォーマンスをしてくれているんですが...」
10着
パッションダンス(M.デムーロ騎手)
「いいスタートでいいポジション、いい手応えでした。何度手前を変えても、問題はなかったのですが、向こう正面で止まってしまいました。それで終わりです。なぜかはわかりません」
(取材・米田元気)
ラジオNIKKEI