今週の栗東トレセンは10日の調教中に吹雪くようなシーンがある冷え込み。幸い、小さな雪で積もることはなかったが、わずかな時間帯だけ激しく降っていた。11日の調教開始前の気温が-2℃。まだまだ厳しい寒さを感じる状況となっている。
9日の午前中と深夜に雨が降っているものの、見た目には影響を与えたと思えない。そのあたりは坂路馬場での時計の出方を見ても納得なのだが、ことCコースに関しては、時計を要する馬場。このあたりについては、各馬場で説明したい。
【坂路/4F51.9秒】
10日。一番時計はセセリ(栗東・
森秀行厩舎)の4F50.4秒。いつもこのくらいの時計で動ける馬なので、馬場状態を見るには適した馬。相変わらず、4F51秒台の頭数は多く、ここ数週続いている、時計の出やすい馬場には変化がないといったところ。
朝一番ということもあるが、
ニシケンモノノフ(栗東・
庄野靖志厩舎)の1F11.6秒は破格の数字。前走は1800mで引っ掛かってしまったが、距離が短縮すれば、ここで見せた脚力を存分に発揮してくれそう。
11日。快晴だったこともあり、馬場状態に変化はなし。2回目のハローあけの時間帯に追い切ったのが、
京都記念の出走を予定している
ワンアンドオンリー(栗東・橋口弘次郎厩舎)。
スイフトアタックを追走する内容だったが、前半から行きっぷりは抜群。ラスト1F標識手前で相手を射程圏に入れると、最後はきっちり突き放してゴール。4F53.1〜3F39.1〜2F25.7〜1F13.1秒と全体時計は地味だが、しっかりと動けている点は評価したい。
先週の馬場差が「-0.4秒」。今週も先週同様、速い時計が出やすい馬場状態が継続しているので、10日、11日とも『-0.3秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
冒頭にも記したように、天候の影響はないと思われるが、時計が出にくいCコース。実際、追い切りの動きを見ていても、最後の1Fで
バランスを崩す馬も多かった。具体的な理由については明記できないものの、とにかくスピードを出しにくい馬場であることは間違いない。
10日の一番時計は
矢作芳人厩舎の
タイセイドリームと
リアルスティールの併せ馬だったが、この追い切りが際立って速く、あとは6Fで80秒台。前記2頭は馬場中央よりも内目を回っていたからこの時計が出ていると思うので、外を回ると時計はなかなか出てこない。
こんな馬場ほど、見た目の動きを重視したいところだが、そこで注目は11日に追い切った
アスカノロマン(栗東・川村禎彦厩舎)。前走
東海Sで初重賞制覇だが、その勢いがそのままという内容の動き。時計は6F83.0〜5F69.0〜4F55.0〜3F41.0〜1F13.2秒と地味だったが、その走りは力強さがあって、非常に目立っていた。この状態で
フェブラリーS(2月21日・東京ダート1600m)はどこまでやれるか、非常に楽しみ。
先週の馬場差が「-0.3秒」。見た目には変化はないものの、全体的な時計の出方を見ていると、先週よりも更に時計を要する馬場であることは間違いない。よって馬場差は10日、11日とも「-0.1秒」で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場での追い切りは5頭ほど。時計の速い内容ではなかったこともあり、見た目にも数字的にも馬場が悪いという印象はないので、10日、11日とも「±0.0秒」で馬場差を記録している。
ポリトラック馬場はCコースが時計の出ない状態であることを把握している厩舎が利用しており、追い切り頭数は先週よりも多くなった。馬場状態に関しては、適度にグリップが利いている感じで、時計は出る。よって馬場差は10日、11日とも先週と同じ『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)