平成28年度の騎手試験合格者が2月11日午前10時に発表され、同日午後1時から美浦所属・新規騎手の共同記者会見が美浦トレーニングセンターで行われた。各騎手のコメントは以下の通り。
■菊澤 一樹(きくざわ かずき) 1997年8月27日生まれ 18歳 出身地・茨城県 所属・菊澤隆徳厩舎 ※父は元騎手の菊澤隆徳調教師。
「父が元ジョッキー(菊澤隆徳現調教師)で、競馬を見る機会が多く、父の人馬一体の姿を見てカッコいいと思い、小さい頃から騎手になりたいと思いました。目標とするのは、
横山典弘騎手です。横山騎手の馬に対する姿勢、馬の可能性を広げる騎乗
スタイルに憧れています。今日の10時に結果が出た時には、素直に嬉しかったです。競馬学校の3年間で辛かったことは特になかったです。しいて言えば、年1回のマラソン大会は苦しかったですね。楽しかったのは茶道の授業です。おいしい和菓子を食べたのは、良い思い出です。
印象に残っているレースは、
ジェンティルドンナが勝った
有馬記念です。引退レースで勝てるのかなと思って見ていましたが、有終の美を飾ったので感動しました。一鞍一鞍、大切に騎乗して、たくさんの方に認めてもらえるようなジョッキーになりたいです。厳しい世界ですが、その世界でやっていけなければもっと上のステージで戦えないと思います。
中央のベテランジョッキーや、外国人ジョッキーと一緒のレースでは、学べることも多いので、ワクワクしています。馬を動かすことに自信がありますので、そこを見てほしいですね。少しせっかちなところがあり、レースでは早仕掛けにつながると思いますので、落ち着いて行動したいです。
凱旋門賞が世界の頂点だと思っていますので、そのレースに乗って勝つことを最大目標に頑張っていきたいです」
■藤田 菜七子(ふじた ななこ)1997年8月9日生まれ 18歳 出身地・茨城県 所属・
根本康広厩舎「小学校6年生の時にテレビで競馬中継を見て、馬が走る姿がカッコいいと思い、騎手を目指しました。目標は、リサ・オールプレス騎手です。たくさんの人に信頼され、愛される騎手になれるように頑張りたいです。そして感謝を忘れないようにしたいです。競馬学校の3年間で辛かったのは、フィジカルトレーニングの授業でした。辛くていやになったこともありましたが、力がついたことはとても良かったです。楽しかったのは、美術の授業です。皆でいろいろと話をしながら、版画を彫ったり、彫像を作ったりしたのが楽しかったです。
好きな馬は
ダイワスカーレットで、印象に残っているレースは、
ウオッカが勝った秋の天皇賞です。
ダイワスカーレットは2着に敗れましたが、2頭ともとても強いと思いました。厳しい世界だということは自覚していますが、自分のペースで、自分ができることをしっかりやって、早く先輩に追いつけるようにしたいです。
課題は、騎乗フォームや下半身の筋力を上げていくことです。馬へのアタリが柔らかいのが、アピールポイントだと思います。女性ならではの面を生かしていきたいです。たくさんの方に信頼され、愛される一人前の騎手になりたいです。そして日本の競馬といえば
日本ダービーだと思いますし、いつの日か
日本ダービーを勝ちたいです」
■木幡 巧也(こわた たくや) 1996年5月9日生まれ 19歳 出身地・茨城県 所属・
牧光二厩舎 ※父は木幡初広騎手、兄は
木幡初也騎手。
「騎手の父の背中を見て育ち、その背中に憧れました。物心がついた時から騎手になるのが夢でした。尊敬するのは父で、目標にしているのが四位騎手です。競馬は魅せるスポーツだと思いますので、四位騎手のようにきれいなフォームで乗れるようになりたいです。競馬学校で辛かったのは、3年ではなく4年間お世話になったことです。4年目の時は悔しくて情けない気持ちになりましたが、4年目が1番充実していました。学校の先生や所属の牧先生、そして両親の支えで4年間続けられました。
楽しかったことは、同期と騎乗して切磋琢磨したり、自由時間にお菓子を食べている時に笑って過ごしたことです。好きな馬は特にいませんが、
オルフェーヴルが勝った
有馬記念が印象的でした。怪物と言われる馬に乗ってみたいと思いました。こぶしのアタリが少し強く、それは折り合いが半減することにつながると思います。スタートがまだ甘いので、そのあたりを改善していきたいです。
レースでは新人らしく、がむしゃらに追いたいです。馬主や厩舎スタッフに好かれ、気を配ることができ、信頼を得られる騎手になりたいです。そして将来は、
日本ダービー、
ジャパンC、
有馬記念という、日本でも賞金の高い3つのレースを勝ちたいです」
(取材・写真:佐々木祥恵)