先週末こそ、12日夜から13日にかけて、かなりの雨量があったものの、今週に入ってからは好天が続く栗東。ただ、朝の冷え込みは依然として厳しく、18日の調教開始前の気温も-2℃。とはいえ、雪が降っているわけでもなく、各陣営ともたっぷりの日差しを浴びて、調整を行っていた。
ウッドチップ馬場に関しては、以前として、坂路は速い、Cコースは遅いといった状態。特にCコースは朝一番が時計を要する状態で、1回ハローが入ると時計の出方は少しマシになるといった印象を受ける。
【坂路/4F51.9秒】
17日。一番時計は
フルールシチー(栗東・
西園正都厩舎)の4F50.0秒。4F50秒台はこの馬を含めて6頭おり、時計が出やすい馬場状態に変わりはない。ただ、先週
ニシケンモノノフが1F11.6秒と破格の時計を出したと記したが、きっちりオープン特別を勝ち上がった。時計が出る馬場だからといって、速い数字を軽視するのではなく、しっかりと吟味することができれば、馬券戦術にはかなり有効な追い切り時計だろう。
たとえば、
京都牝馬Sに出走予定の
ウインプリメーラ(栗東・
大久保龍志厩舎)。これまでも4F51.8秒という時計は簡単にマークすることができたが、これだけ速い4F時計を出すと、ラスト1Fが減速することが多かった。それが1F12.0秒と加速しており、前走の勝利で勢いがついていることを示すような数字。6歳牝馬とはいえ、まだまだ勢いに乗っている感じだろう。
18日。
別ニュース(栗東・
梅田智之厩舎)が4F50.1秒をマークしているように、前日同様に時計の出やすい馬場。この時間帯の追い切りでは、
大阪城S(3月6日・阪神芝1800m)の出走を予定している
ダノンリバティ(栗東・
音無秀孝厩舎)も
ダノンスパークとの併せ馬で4F51.0秒をマークしている。
先週の馬場差が「-0.3秒」。今週は先週以上に速い時計が出やすい馬場状態になっているので、17日、18日とも『-0.5秒』の馬場差で記録している。
【CW/5F66.5秒】
通常なら、6F80秒を切る馬が10頭近くはいるCコースだが、ここ最近は2、3頭いるかいないかといった感じ。6Fで80秒を切るためには、どうしてもラスト1Fの失速を13秒台までに抑えないといけないが、ほとんどの馬が前半を飛ばすと終いは止まってしまうという形になっている。
そんな馬場状態の中で、素晴らしい動きを披露したのが、
中山記念(2月28日・中山芝1800m)の出走を予定している
リアルスティール(栗東・
矢作芳人厩舎)。今週は
福永祐一騎手を背に、
ペガサスボスを追走する内容だったが、前半からしっかり折り合って、前半3Fを45.2秒で通過。その分、しっかり脚がたまって、最後は相手を突き放して大差先着。1F11.8秒の伸びはこの日一番といってもよい迫力。
菊花賞以来の休み明けとなるが、むしろ4歳になっての成長分が上積みとして、レースでのパフォーマンスを上げてくれそうな気がする。
先週の馬場差が「-0.1秒」。相変わらず時計の出にくい馬場状況は続いているが、基準時計と比較すれば、これが標準といった感じ。よって馬場差は17日、18日とも「±0.0秒」で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場での追い切りは
宮徹厩舎の3歳馬が行っただけ。時計的にはごく標準だったし、見た目にも馬場が悪いという印象はないので、17日、18日とも「±0.0秒」で馬場差を記録している。
ポリトラック馬場は先週よりは追い切り頭数が少なくなった。時計に関しては、ラスト1Fで11秒台前半をマークした馬も数頭おり、走りやすい状態であることは間違いない。よって馬場差は17日、18日とも先週と同じ『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)