ウッドチップコースでの最終追い切りを無事に終えた
メジャーエンブレム(牝3・美浦・
田村康仁)。馬の状態を確認後、管理する田村調教師の共同記者会見が行われた。
(今の率直の気持ちを)
「今朝、無事に最終追い切りが終わりまして、馬も大丈夫ということなので安心しています」
(前走を振り返って)
「昨年、欲しかった2歳女王というタイトルを取ることができました。その後はキッチリと休養を挟んで、今年初戦の
クイーンCに臨みました。放牧から帰ってきた時には非常に良い状態で、阪神JFの時よりもさらに
パワーアップしているなという印象がありましたので、良い内容の競馬になるだろうなという予感はしていました。でもまさかあんなに時計を詰めて、強烈なラップを刻むことまで予想はしていませんでしたから、ビックリしました」
(前走後からここまでの調整過程は?)
「この馬はある程度の間隔をあけて競馬を使った方が気持ちが
リラックスしますし、良い形で出せるものですから、
クイーンCの後の2か月間はこの馬にとって必要な期間だったと思っていました。非常に優秀な時計で勝ちましたから、しっかりと放牧先で疲れを取ってあげてゆっくりと立ち上げていって、さらに体を
パワーアップさせて厩舎の方に戻してきたという形です」
(最終追い切りについて)
「先週、かなりきつい調教で馬は出来上がっていましたので、今週は前に馬を置いて追い切りました。それでも動いてしまう馬ですから、少し離れた前に馬を置いてそれを追いかける形にしました。最後はある程度走らせるようにという指示をしましたが、非常に良い内容でした」
(前走からさらに
パワーアップした点、良くなった点は?)
「精神的にとても成長していると思います。クラシックに臨むこの時期は、きつい競馬が多くなってきます。
メジャーエンブレムもずっと重賞に使っていますし、相手も非常に強いです。そういった中で精神的に段々しんどくなってきますから、普通は食欲がなくなったりイライラしてくるものですが、この馬はとても気分転換が上手で、オンとオフのスイッチの切り替えは非常に良くできています。
どちらかというともっと欲しいと要求するくらい、ご飯もよく食べられます。自分のお部屋に帰った時には本当にゆったりとできます。
リラックスする時と、きちんとしなければいけない時のメリハリがあるんですね。身体能力は非常に高いものを持ち合わせていましたし、成長もしていますけれども、ここ数か月の間に目に見えない精神的な強さが出てきて、非常におっとりとできるようになってきましたし、素晴らしいと思います」
(レースプランは?)
「まだ何も考えていません。競馬ではいろいろなことがありますし、自分が番手につく競馬、または後ろから行く競馬などを想定しながら、いろいろな形のお稽古をさせてきました。たまたまレースでは前めの位置で競馬をしていますが、今回練習では全部こなしてきましたので、あとは当日ルメールと相談して決めるつもりです。彼女が1番力を発揮できるような競馬をさせてあげることが良いのかなと、今は思っています」
(不安はないように思うが?)
「この時期の3歳の女の子にとって本当に憧れの大舞台ですし、当然出走するメンバー全員高いハードルをクリアした精鋭です。勝ちたいという気持ちはすべての陣営が持っていると思いますし、その中で一生懸命頑張ってくれたら良いなと思うだけですね」
(最後にメッセージを)
「昨年初めて阪神JFに行った時に、阪神のファンの皆さまから温かい声援を頂きましたし、大きな祝福をして頂きました。本当に有り難かったです。今回また4か月振りに阪神の方に参加することができます。当日は阪神JFの時よりも、馬が良くなっているねと褒めて頂けるような状態でパドックの周回ができると思っています。一生懸命彼女は走りますので、どうか応援してあげて頂きたいです。よろしくお願い致します」
(取材・写真:佐々木祥恵)