春のうららかな朝日の中を疾風のごとく駆け抜けた。
メジャーエンブレムが美浦Wで躍動。文句なしの出撃態勢を整えた。
週末に長距離輸送を控える3歳牝馬だが、決して容赦はしなかった。美浦坂路を軽く登板してからWへ。僚馬を20馬身以上後方から追いかけた先週同様、この日も併走する
ダンディーレイ(6歳1000万下)、
カズノテイオー(3歳500万下)を1秒8追い掛ける形でスタート。4角手前で追いつくと直線は最内へ進路を取る。楽な手応えのままアッと言う間に2頭をパスすると、必死に食い下がる
テイオーに2馬身ほど先着してフィニッシュ。5F65秒6-36秒7-12秒2のタイムで最終リハを完了した。
引き揚げてきた愛馬をチェックした田村師は「無事に終わってホッとしています」と胸をなで下ろす。「スピードが違い過ぎてパートナーがいないし、1頭にはさせたくないので最後まで目標を前に置く形。非常に良かったと思います」と合格点を与えた。
4角先頭から圧倒的な強さで2歳女王となった阪神JF。今季初戦の前走・デイリー杯
クイーンCでは問答無用に主導権を奪い、
ハイラップを刻んでラ
イバルたちを5馬身ちぎった。「気性が勝っているので十分間隔をあけた方がいい馬。この2か月間はじっくりと調整してこられた。カイバも催促するほど食べているし、さらに
パワーアップしています」とさらなる進化に目を細める。
祖父の仁三郎・元師が第1回の
桜花賞をソール
レデイで制覇。自身は08年
ソーマジック(3着)以来2度目の挑戦となるが、以前から「相当な大物になる」と言ってはばからなかった逸材とクラシック初Vを目指す。
「高いハードルをクリアした精鋭がそろうし、全ての陣営が勝ちたい気持ちで臨んでくる。一生懸命頑張ってくれたらいい」。“あえて不安を”と問われると、そう言って気を引き締めた。だが、その表情は最後まで自信に満ちあふれていた。
提供:デイリースポーツ