昨年暮れの有馬記念でGI初制覇を成し遂げ、今年初戦の日経賞(GII)でもサウンズオブアースをゴール前でねじ伏せ、貫禄を見せたゴールドアクター(牡5・美浦・中川公成)。春の天皇賞に向けての最終追い切りも無事に終え、中川調教師と吉田隼人騎手が会見に臨んだ。

■中川調教師

(今朝の追い切りについて)
「先週ある程度やってあるので、今週は折り合い重視の調教で予定通りです」

(コンディションは?)
「ベストの状態で出せると思います。(馬体重は)輸送して前走と同じくらいになるでしょう」

(GIホースとなって臨む春の天皇賞だが?)
「プレッシャーはなるべく考えないようにしています。今まで通り、やるべきことをやっているという感じですね」

(相手関係については?)
「有馬記念と同じように今回も強いメンバーですけど、自分の競馬をしてくれればと思っています。そうすれば自ずと結果はついてくるでしょう」

(淀の3200mではどのようなレースが理想か?)
「ウチの馬に限らずどの馬もそうでしょうけど、良いポジションを取って、有馬のような競馬ができればと思います」

(今回GWの輸送になるが?)
「何とか渋滞にはまらないようにと考えています。他の厩舎の馬との兼ね合いもありますが、木曜日に京都に運んで向こうでスクーリングをして…という形で考えています。確かに輸送競馬は菊花賞以来になりますが、移動中、馬運車の中でも大人しいですからね。菊花賞の時はもう少し体が減ると考えていましたが、思った以上に減っていなかったので、輸送はそれほど心配はしていません」

(手綱を取る吉田隼人騎手への期待は?)
「彼がずっと乗ってきていますし、彼が1番わかってくれていますから、ベストの競馬をしてくれると思います」

(枠順については?)
「隼人君といろいろシミュレーションしていたのですけど、できれば内枠を引いて前で競馬をしたいですね」

(馬場は?)
「京都は速いですから。今後のことを考えると、時計がかかる馬場の方が良いのですけどね」

(最後にファンにメッセージを)
「ここまで順調に調整できて予定通りです。本番では力を出し切れると思いますので、応援よろしくお願いします」


■吉田隼人騎手

(GIともなると報道陣も多くなっているが?)
「すごいことになってしまいましたね。ありがたいです。馬のおかげです」

(有馬記念はジョッキー自身、ケガで相当脚が痛かったと聞いているが?)
「140度くらいしか脚が曲がらなかったです。気力でした」

(前走の日経賞について)
「調教では休んでいたことでまだ緩さがありましたので、調子はどうなのかなと思ったのですが、競馬では強い馬をちゃんと差し切ってくれましたので、本当にすごい馬だなと思いました」

(ジョッキーの中では、これで本番も大丈夫という確信があったか?)
「天皇賞ではまた条件も変わってきますからね。距離も長くなりますし、速い馬場はどうなのかなという不安も感じました。やることは変わらないのですけど、あとは馬がどれだけ頑張ってくれるかだと思います」

(追い切りの感触は?)
「状態は良いと思います」

(相手関係は?)
「まだ戦っていない馬もいますし、どれくらいやれるのかなとも思いますので、挑戦者のつもりで頑張りたいです」

(プレッシャーは?)
「ファンの方が結構声をかけてくれたりもしますので、当日の方がプレッシャーを感じると思うのですけど、先輩ジョッキーも皆経験していることですし、乗り越えなければなと思っています。今はレースに向けてケガなく人間が来れているので、当日、人馬ともに無事に競馬場にいれればと思います」

(ゴールドアクターを先生と呼んでいると聞くが?)
「いろいろなことを教えてくれる馬なので」

(最初の頃と変わってきたところは?)
「最初の頃と比べて馬の厚みが出てしっかりしてきて、トモの緩さもなくなってきました」

(馬に自信がついたように見えるが、実際背中から感じるものは?)
「去年GI取ってから、厩舎でも馬を見ているのですけど、堂々と歩いていて風格が出てきていると感じます。もちろん乗った感触も、どっしりとしていて安心できます。前走もサウンズオブアースに負けたくないという感じで、キッチリと交わしてくれましたしね」

(有馬記念の後は神様のおかげ、馬のおかげというコメントだったが、今回は自分の力でというのもあるのでは?)
「僕の力でというのもありますけど、馬が走ってくれていますから、馬の力になってあげられればと思います」

(6連勝で春の天皇賞を勝つと、1988年のタマモクロス以来となるが?)
「はい、タマモクロスみたいになりたいです」

(最後にメッセージを)
「連勝しているのですけど、連勝を止めないように精一杯乗りますので、応援してください」

(取材・写真：佐々木祥恵)