「チャンピオンズM・香港G1」(1日、シャティン)
約5カ月ぶりの実戦もお構いなし。圧巻の走りで、再び香港のターフに衝撃をもたらした。断然の1番人気に支持された昨年の
年度代表馬モーリス(牡5歳、美浦・堀)が好位から抜け出し完勝。昨年末の
香港マイルに続き海外G1・2連勝を決めた。これでG1・4連勝を含む7連勝。次走は
安田記念(6月5日・東京)で連覇を目指す公算が大だが、陣営は
宝塚記念(6月26日・阪神)への参戦にも含みを持たせた
まさに独壇場。香港ファンの視線を
モーリスが独り占めした。後方から力強く追い込んだ昨年末の
香港マイルとは違い、この日は好位4番手から展開。直線で楽々と抜け出し、
安田記念にも選出されている
コンテントメントに2馬身差の完勝劇となった。
「ヒーイズ、
アンビリーバブル!」−。初コンビを組んだ世界の名手・モレイラも舌を巻く。「いつでも
ゴーサインを出せる感じ。性格が素直な馬だね。距離が延びても問題はない。きょうは誰が乗っていても勝っていたよ」と昨年の
年度代表馬が持つポテンシャルを絶賛した。これでG1・4連勝を含む破竹の7連勝。史上4頭目の海外G1・2勝目をマークし、アジアに敵なしを証明した格好だ。
単勝2・15倍。一時は1・4倍まで下がるほどの圧倒的な支持を受け、“1強”で迎えた大舞台。「前回の香港はビックリだったけど、今回はホッとしました。久々だったからね」とオーナーの吉田和美氏は胸をなで下ろした。「モレイラさんは“どの位置でも関係ない”と言っていた」と舞台裏の会話を披露しつつ、会心の勝利に笑みを浮かべる。
注目の次走は連覇のかかる
安田記念が最有力だが、「距離を延ばすことも考えたい」と
宝塚記念への参戦にも含みを残した。出走すれば2冠馬
ドゥラメンテと夢の競演が実現する。「引っ込めろと言われるかもしれないですね」と夫でノーザン
ファーム代表・吉田勝己氏に目を向けながら、“アジア最強マイラー”のオーナーは歴史的Vの余韻に浸った。
提供:デイリースポーツ