「NHKマイルC・G1」(8日、東京)
名門牧場の意地を見せつけたい。3連勝中の
トウショウドラフタが4日、美浦Pで切れのある動きを見せつけた。悪天候も何のその、直線で軽く仕掛けられると瞬時に反応を示し、最後は鋭い伸び脚を発揮。単走で5F65秒0-36秒8-11秒6を記録した。
萱野師は「しまいはしっかりと反応していた」と満足げな表情だ。今回は中6週と間隔をあけての参戦。「前走後にダメージはあったが、しっかりとケアをして、ここにきて調子を上げている」と万全の態勢で大一番に向かえることを強調した。
前走の
ファルコンSで重賞初Vを達成。不良馬場をものともせず、直線一気の競馬で差し切った。「馬場が心配だったが、自分が思っている以上に強かった」と師は目を見張る。コンビを組んで3戦3勝の田辺も「道悪が得意だから勝ったのではない。良馬場の方が持ち味は生きる」と断言し、能力の高さをアピールした。
トレーナーにとっては力の入る一戦だ。生産者、オーナーの
トウショウ牧場は、昨年10月にオーナーブリーダーから撤退。萱野師は奥平真治厩舎の助手時代に“
トウショウ”の多くの重賞ウイナーの調教にまたがってきた。その縁で厩舎開業後も毎年同牧場出身馬を管理。開業19年目の今年、“
トウショウ”の冠名がつく最後の世代となるド
ラフタで厩舎のG1初Vを狙う。
「
トウショウさんの馬でG1に出走できるのは感慨深いものがある。このようなチャンスはなかなかないので勝ちたい」と言葉に力を込めた。名門牧場が残した孝行息子とともに、G1制覇という形で恩返しを果たしたい。
提供:デイリースポーツ