第77回
オークスを制した
シンハライトは23日深夜0時ごろ、栗東トレセンの自厩舎に戻った。渋滞に巻き込まれることもなくスムーズな輸送。一夜明けた同日午前には、元気な様子でカイバ桶に混ぜられた大好物のにんじんを器用に選んで食べていた。
「いつもと変わりません。グターと疲れを前面にみせてもおかしくないのに、まったくそういうところをみせないんですよ。
桜花賞の後もそうでした」と担当の荻野斉助手。
ピカピカに光る422キロの小柄な馬体。キビキビと周囲を見回す表情からも疲労は感じさせなかった。
荻野助手はゴール前では決して有利な位置関係ではなかったことから、「一瞬、負けたと思った。距離の壁なのかな、と思った」という。しかし、そこから馬群から抜け出て、勝ちきった。
「すごい勝負根性ですね。420キロしかない馬ですが、相手が大きな馬でもまったく怯みませんからね」
明日24日、放牧に出て秋に備える。秋は、
桜花賞馬の
ジュエラー、
NHKマイルCを勝った
メジャーエンブレムとの再対決が予想されるが、晴れてGIホースに仲間入りしたことで「これで堂々と対決できる」と荻野助手は高まる秋への期待の言葉に力をこめた。(取材・写真:花岡貴子)