競馬関係者が、枠順の帽子の色や勝負服の服色などにあわせてゲン担ぎや勝負に思いを秘めるのは珍しいことではない。そして、その方法は実に多種多彩だ。
マカヒキを管理する友道調教師は、2009年の
皐月賞馬・
アンライバルドで1番人気で挑んだ
日本ダービーで12着に敗れた苦い過去があった。
その時に身に着けていた赤いネクタイをあえて今回のダービーでも着用し、勝負に挑んだ。
担当する大江助手は、青いネクタイを着用。それだけでは特に何かにこだわっていたようには見えなかったが、レース後に「実は…」と大一番に秘めた一品を見せてくれた。
「ダービーの前に無事を祈ってお参りに行ったんです。そのときにいただいたお守りを黄色い布に包んで身に着けていました。黄色い布、青いネクタイ、2枠の黒帽の3つを合わせて金子オーナーの勝負服の色の組み合わせを意識しました」
戦前、「これほどのチャンスに巡り合えることは早々ない。存分にダービーを楽しみたい」と話していた大江助手。人知れずダービーを満喫していたようだ。
(取材・文・写真:花岡貴子)