「
エプソムカップ・G3」(12日、東京)
人馬ともに好機を迎えた。「東京の千八はベスト」という陣営の期待を背負い、
フルーキーが2つ目の重賞タイトル奪取を目指して8日、最終リハ。馬なりの手応えで栗東CWをリズミカルに駆け抜けた。コンビを組むM・デムーロは、JRA重賞通算50勝まであと“1”。相棒を巧みにエスコートして、自身の
メモリアルVも決めてみせる。
気温が上がり始めた午前7時に、
フルーキーは栗東CWへ登場。M・デムーロを背に、ハロー(馬場清掃)明けのきれいなチップを軽快に駆け抜けた。
道中は先行する
タニノアーバンシー(3歳500万下)と程よい距離感を保ちながら2番手を追走。後方を進む
シャケトラ(3歳未出走)の気配を察しながら、名手が絶妙なさじ加減でリードする。3頭が横一線となった直線は、真ん中を通っていつでもはじけられる手応え。だが、無理はしない。内外と足並みをそろえ、馬なりのまま
フィニッシュラインを越えた。
5F67秒4-38秒5-11秒7に、鞍上は「大丈夫。元気。調子はいい」と
スマイル。コンビを組むのは3戦ぶりだが、レース内容はチェック済み。「前走(
新潟大賞典2着)はすごく頑張った。千八はちょうどいいと思う」。昨年のチャレンジC以来となるVを思い描いていた。
見守った岸本助手は「もうちょっと、最後ピリッと動くと思ったが…」とやや不満げだったが「まあ、ミルコはあまりやらない(強く追わない)から」と鞍上の性格は分かっている。最後は「落ち着きが出てきたし、いい感じで臨める。競馬は走れると思う」と力強くうなずいた。
復帰戦で2着と上々の滑り出し。その後は厩舎で調整して、定石通りに調子を上げてきた。「この前よりも出来はもう一段上がっている。東京の千八はすごくいいと思います」と仕上げ人。念願の舞台で、自慢の末脚をフルに発揮する。
提供:デイリースポーツ