「
プリンスオブウェールズS・英G1」(15日、
アスコット)
快挙達成ならず。英国王室主催の
ロイヤルアスコット開催の中でも最高賞金を誇る一戦。6頭立てで行われたこの格式高き伝統のレースでの勝利を目指した、
武豊騎乗の
エイシンヒカリ(牡5歳、栗東・坂口)だがまさかの最下位6着に敗れた。昨年暮れの
香港C、10馬身差Vを決めた前走のイスパーン賞に続く、海外G1・3連勝はならなかった。勝ったのは伏兵
マイドリームボート。
これが英国伝統の壁なのか。G1初勝利を決めた昨年暮れの
香港C、世界に衝撃を与えた欧州初戦に続く海外G1の3連勝を狙った
エイシンヒカリだったが、歴史的偉業の達成はならなかった。
スタートから先頭を奪ったが、懸念されたアップダウンの激しい世界屈指の難コースが立ちはだかる。10馬身差圧勝を決めた前走のイスパーン賞・仏G1で見せた直線でぐんぐん後続を引き離した走りは鳴りを潜めた。世界の各ブックメーカーが断然人気となる単勝1倍台のオッズをつけていたが、直線は後続に次々と抜かれて先頭でゴールを駆け抜けることはできなかった。
先月24日のイスパーン賞・仏G1を圧勝した走りが評価され、10日に発表された国際レーティングでは単独トップとなる129
ポンドを獲得。世界No.1の実力を見せつけるシーンを期待した日本のファンの期待は打ち砕かれた。
この後はいったん帰国する予定だが、次の
ターゲットはどこになるのか。前走圧勝後、「秋に同じ舞台に戻ってきたいと感じました」と
武豊が熱望した
凱旋門賞・仏G1(10月2日・
シャンティイ)に出走するためには、追加登録料12万ユーロ(約1440万円)を支払う必要がある。
先月末には馬主・栄進堂の平井克彦氏が英
メディアのインタビューで、年内での引退種牡馬入りのプランがあることを明かした。日本競馬の悲願に挑むのか、別の海外G1か、あるいは国内か-。芦毛の
ディープインパクト産駒の行方が注目される。
◇ ◇
プリンスオブウェールズS…1862年に当時の皇太子
エドワード7世を記念して創設。イギリス王室が主催し、優勝馬関係者にエリザベス女王自らトロフィーを贈呈する「
ロイヤルアスコット」開催の中距離最強馬決定戦として行われる。総賞金は同開催内でトップとなる75万
ポンド(約1億2000万円)。00年から国際G1に指定された。昨年は日本から14年秋の天皇賞馬
スピルバーグが初参戦し、9頭立ての6着に敗れている。
提供:デイリースポーツ