「ニエル賞・仏G2」(11日、
シャンティイ)
ダービー馬
マカヒキが、世界デビュー戦を勝利で飾った。本番の
凱旋門賞(10月2日・
シャンティイ)と同じ舞台で行われた3歳馬による前哨戦へ、ルメールを背に出走。5頭立ての少頭数、強敵不在のメンバー構成だったとはいえ、まずは3週後の大舞台へ向けて好発進を決めた。同レースの日本馬の勝利は、13年
キズナに続く2頭目。
これが第83代
日本ダービー馬の実力だ。
マカヒキが世界デビュー戦で、着差以上の強さを感じさせる完勝。本番に大きく弾みをつけた。
3歳馬同士で行われた
凱旋門賞の前哨戦は、欧州馬にG1ホースが不在どころか、重賞ウイナーも1頭だけというメンバー構成。くみしやすい相手だったことは間違いない。それでも不慣れな海外初戦、本番と同じコースできっちりと結果を出した意味は非常に大きい。
レースは英G3勝ち馬
ミッドタームが引っ張る展開。1頭ずつが縦に並ぶきれいな隊列の3番手を進んだ。緩いペースのなかで、しっかりと折り合いをつけ、最後の直線では外へ。ゴール前30〜50メートルで粘る内の2頭をきっちりかわし、首差をつけてVゴールを駆け抜けた。
昨年から拠点を日本に移した鞍上のルメールにとっては、大きな意味を持つ勝利だ。移籍先の
日本ダービー馬で挑んだ母国での重賞戦。いわば“凱旋レース”で完勝を決めてみせた。「日本の馬でフランスのビッグレースを勝ちたい」-。自身もいまだなし得ていない
凱旋門賞制覇の夢に大きく前進したことになる。
金子真人オーナーにとっては、06年に3位入線→失格となった
マカヒキの
父ディープインパクト以来となる
凱旋門賞挑戦。屈辱を味わったあの年のリベンジを、という思いは強いはずだ。
3月の
ドバイシーマクラシックで昨年のダービー馬
ドゥラメンテ(2着)の前に立ちはだかり、その後もG1・2連勝、目下6連勝中の英国馬
ポストポンド、G1馬8頭が集い、10日に行われた愛チャンピオンSで直線一気を決めた今年の仏ダービー馬
アルマンゾル、さらにC・デムーロが駆る今年の仏
オークス馬で8戦8勝の
ラクレソニエール…本番では強敵が待ち受ける。
「この馬はどんどん良くなっている。ここを使ってさらに良くなるでしょう」とルメールは胸を張った。海外2戦目であらゆる面での上積みが見込める3週後の一戦へ、日本競馬界の大きな期待を背負い
マカヒキが歩を進める。
提供:デイリースポーツ