9月も中旬に入り、今秋のG1を目指す馬たちが続々と帰厩。別ニュースでは秋最初のG1となる
スプリンターズSの2週前追い切りを中心にお送りしているが、次開催の東京、京都で行われる
毎日王冠や
京都大賞典に出走を予定している馬も追い切りを開始している。
別ニュースで
京都大賞典からの始動が発表された
ラブリーデイ(栗東・
池江泰寿厩舎)も15日のCコースで6F83.7秒の単走追いを消化。これからもっと活気づいてくるのではないだろうか。
今週の栗東は12日夜から明け方にかけて雨が降り、13日夜にも雨は降っているが、これが馬場に与えた影響はさほど大きくないだろう。また、気温に関してはかなり涼しくなっており、日中も雲が多いこともあって、気温が上がる日は少ない。
【坂路/4F51.9秒】
14日。一番時計は
カネトシブレス(栗東・
音無秀孝厩舎)の4F50.5秒。4F50秒台は他にも7頭いたので、間違いなく走りやすい馬場状態。4F51秒台の頭数も多く、馬場差にすれば、先週よりも時計が出やすい状態になっている。
15日。一番時計は4F49.8秒の
リンガディンドン(栗東・松元茂樹厩舎)。
別ニュースでお届けした
ミッキーアイル(栗東・
音無秀孝厩舎)や
シュウジ(栗東・
須貝尚介厩舎)といった
スプリンターズS出走予定組の追い切りがあったので、時計は全体的に速く出ているように見える。
もちろん、
ベルカント(栗東・
角田晃一厩舎)もそのうちの1頭。
メモリートニックを追走する併せ馬だったが、普段と違って、馬場中央からスタートして、最後に追い抜く際には左ラチ沿いを走る形。時計は4F50.5〜3F36.7〜2F23.5〜1F12.0秒とこの馬らしい数字をマークしている。
そして、2回目のハローが明けた時間帯に真っ先に登坂したのが、
天皇賞(秋)(10月30日・東京芝2000m)を予定している
エイシンヒカリ(栗東・坂口正則厩舎)で、帰厩最初の追い切り。終始右ラチ沿いを走っていたこともあり、見た目にも普通キャンターよりも少し速い程度かと思われたが、時計は4F56.4〜3F40.3〜2F26.2〜1F13.0秒と速い。
レースまで1ヶ月以上ある時点でこれだけ動くことができるようなら、仕上がりには心配ないだろう。ただし、今後は動きすぎを心配することになるのかも知れない。
先週の馬場差が「±0.0秒」。文中に記したように、全体的な時計の出方を見ても、先週より時計が速い馬場であることは間違いない。よって14日、15日とも先週と同じ『-0.3秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
14日。先週はかなり時計を要する馬場状態だったが、それは今週も変わりない。6F時計で80秒を切るのは至難の業。もちろん5F時計で65秒を切るのもかなり難しい。加えて、ラスト1Fもよほどしっかりした動きでなければ、12秒前半をマークすることはできないといった感じ。
そんな中、朝一番の坂路馬場を4F56.2秒で駆け上がった後、Cコースの3コーナー付近から入場して、4F追い切りを行った
ジューヌエコール(栗東・安田隆行厩舎)。
メイショウトコシエに先行する形での追い切りだったが、相手が追いつくことができないまま、先着してのゴール。4Fとはいえ、坂路で時計を出している状態で4F53.9〜3F39.2〜1F12.8秒は2歳馬らしからぬ体力。
次走はキャリア1戦の休み明けでオープン特別の
ききょうS(9月24日・阪神芝1400m)を予定しているが、このポテンシャルなら連勝することも十分に可能な動きといってよいだろう。
15日。前日に比べると時計が出ているように感じたのは、
別ニュースでお届けした
サトノダイヤモンドと
サトノノブレスの追い切り。ただ、この2頭は状態がかなり良いので、ラスト1Fで11秒台をマークしたような気もする。馬場状態が変化するような要因はないので、馬場差に関しては、15日も14日と同様でよいだろう。
先週の馬場差は「+1.0秒」。文中にも記したように、今週も時計を要する状態。ただ先週ほど全体時計が遅いといった印象もないだけに、今週は『+0.5秒』で、14日と15日の馬場差を記録した。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は追い切りが5頭ほど。2歳新馬では
福永祐一騎手が跨った
スズカフロンティア(栗東・橋田満厩舎)の動きが目立っていた。馬場差は14日、15日とも『±0.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場は14日の追い切り頭数が先週より増えて、30頭ほどになっている。追い切っている馬たちを見ると、Cコースで時計を要する状態が続いているため、時計が出ない新馬がある程度のスピードを求めて、ポリトラックで追い切っているような感じ。半姉に
ベルカントがいる
アットザトップ(栗東・
角田晃一厩舎)もそんな感じでの追い切りだったようだが、3頭併せで最先着して、全体時計も一番の数字をマークしており、次週以降の動きにも注目したいところ。馬場差は14日、15日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)