「
スプリンターズS・G1」(10月2日)
完璧な仕上げで大舞台に臨む。春の王者
ビッグアーサーは28日、栗東坂路で単走追い。力強い動きを披露した。勝てば、史上5頭目の同一年春秋ス
プリントG1制覇となる。6カ月ぶりの実戦に挑む
ミッキーアイルは破格の一番時計で好仕上がりをアピール。
ダンスディレクターも上昇ムードを漂わせた。
荒々しく、そして力強く。春のス
プリント王が万全の仕上げを誇示した。
ビッグアーサーが栗東坂路を登板したのは、馬場が荒れた閉門10分前。前向きさを見せ、前半は乗り手が抑えるのに苦労しながらだったが、力のいる馬場でも脚を取られないのがG1馬の脚力。ステッキが入ったラスト1Fは12秒8をマーク。時間帯を思えば、全体時計4F52秒5も優秀だ。
動きを見届けた藤岡師は「前半2Fだけ我慢できれば、と思っていた。思った以上に負荷をかけられたし、動きも良かった」と満足げ。秋初戦をひと叩きた効果も十分。「前走(
セントウルS)は、肩回りは完璧だったけど、トモがあと少しだった。使ってスッキリしたし、筋肉に張りが出た。
高松宮記念と遜色ない」。ベストパフォーマンスを見せたG1初制覇時と変わらない仕上げに胸を張る。
前走はデビュー以来初の逃げ。誰も予想しなかった戦法でも押し切った。「スピードがあるのは分かっていたけど、普通は止まる。勝ち切ったことが次につながる」。そう藤岡師が振り返るように、休養明けで58キロの斤量を背負いながらも結果を残した。福永は「6、7割は頭の中に“逃げ”というのがあった。そういう競馬でも勝ってくれないと困るとも思っていたから」と納得の様子。条件を選び、展開に左右されるようでは他を圧倒できない。「力でもぎ取れるチャンピオンになってほしい。あの競馬で勝って、次は自信を持って行ける」と力を込めた。
初の中山コースについても、「千二を走るのに必要な筋肉、体形、全てを兼ね備えている。小倉にも行っているから輸送も問題ない」と師の自信は揺るがない。「ス
プリント王が貫禄勝ちを見せられるように」。充実一途の5歳馬が、春秋ス
プリントG1制覇を狙う。
提供:デイリースポーツ