今週の栗東は通常通り、月曜日が全休、火曜日から調教というスケジュールだったが、10月10日の月曜日にレースが行われる関係で、通常は水曜日に集中する追い切りが木曜日にも分散した形。その木曜日、6日は前日から時折激しく降った雨の影響を受けて、水分をたっぷり含んだウッドチップとなった。
気温に関しては、朝は適度な涼しさだが、陽が昇り始めると10月としては少し暑く、長袖では汗をかいてしまうくらい。ただ、今週末からは一気に気温が下がるようなので、
カレンダー通りの気候ということになりそう。
【坂路/4F51.9秒】
5日。一番時計は4F51.5秒の
リアルスティール(栗東・
矢作芳人厩舎)。他の4F51秒台は3頭しかおらず、4F52秒台前半の頭数もかなり少ない。先週は29日に雨の影響で時計を要する状態になっていたが、それがまだ回復していないといったところだろう。
そんな馬場でも4F53.2〜3F38.8〜2F25.3〜1F12.2秒と2歳馬らしからぬラップの踏み方を見せた
モンドキャンノ(栗東・安田隆行厩舎)。次走は
京王杯2歳Sを予定しているが、この脚力は距離が延びても十分に通用しそうな感じ。
6日。一番時計は4F51.2秒の
カレングランブルー(栗東・安田隆行厩舎)。この日も4F51秒台は一番時計を含めて5頭。4F52秒台の頭数もかなり少なく、これは5日午後からの雨が影響したものと思われる。
今春にイスパーン賞で海外G1を制した
エイシンヒカリ(栗東・坂口正則厩舎)が
黒岩悠騎手を背に単走追い切り。2F目で一気にラップが速くなり、3F目が11.9秒。その影響もあって、ラスト1Fは12.9秒と大きく減速したが、これは最後を流してのもの。4F51.7秒はもちろん速く、次走予定の
天皇賞(秋)(10月30日・東京芝2000m)に向けて、しっかりと負荷をかけてきたなといった感じ。
先週の馬場差が「+0.7秒」。5日は先週の影響が残っていると思われるので『+0.8秒』の馬場差、6日は前日の雨の影響があったので『+1.0秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
坂路馬場が時計の出にくい状態になっているのに対して、Cコースは全体的な時計の出方を見ているとさほどでもない。6F80秒を切る頭数も多ければ、5F65秒以下もそれなりの頭数。ただし、一時期のように5F62秒や63秒といったとんでもなく速い数字は出ておらず、それなりに基準時計通りといった感じ。
ただし、6日に関しては雨の影響を受けており、前半で飛ばすと後半が少し時計を要する状態。
京都大賞典(10月10日・京都芝2400m)の出走を予定している
サウンズオブアース(栗東・
藤岡健一厩舎)は、
M.デムーロ騎手を背に最終追い切りを行っている。
エジステンツァを2秒ほど前に見る形だったが、先行していた
エジステンツァが物見をして急激にペースが落ちる場面などもあり、リードのラップがやや不規則。ただ、そんなことはお構いなしに自分のペースで追走した
サウンズオブアース。直線手前での前との差はかなりあったが、直線での加速で一瞬にして前を交わしている。
時計は6F81.2〜5F66.2〜4F51.3〜3F37.2〜1F12.0秒。このラップだと終い時計を要する馬場状態にも関わらず、12.0秒でまとめるのはさすが。ただ、馬体はまだまだ太目感があり、仕上がり状態で出した数字というよりも本来の性能で自然とマークした時計をいう印象もある。
先週の馬場差は「±0.0秒」。今週も5日に関しては、全体的な時計の出方を見て、先週とは変わりないということで『±0.0秒』の馬場差で記録。6日に関しては、関係なしに時計を出す馬は高額条件の馬という状態だったので、そのあたりを考慮して『+0.2秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は5日、6日ともに少ない追い切り頭数。馬場状態に関しては、5日はごく標準的だったので『±0.0秒』の馬場差でよいだろう。ただし、雨の影響を受けている6日に関しては、大きな芝の塊が飛んでいる状態。よって、6日に関しては『+1.0秒』で馬場差を記録している。
ポリトラック馬場は先週まで続いた賑わいも落ち着いた。あまり速い時計が出ていないが、これは馬場状態というよりも馬のクラスや普段からポリトラックで追い切っているか否かが影響しているように思われる。馬場差は5日、6日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)