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シュヴァルグランなど、今週の主要調教馬場の時計/栗東トレセンニュース

  • 2016年10月13日(木) 16時15分
 10日の月曜日まで競馬開催があった影響を受け、通常は追い切りが集中する12日の水曜日が全休明け。ひと昔前なら追い切りを行う厩舎は少なかったが、今ではその慣習も変わりつつある。特に15日土曜日に新潟競馬場や東京競馬場に出走する馬は14日に輸送をする関係で、12日に追い切ることがベターという考え方も多い。

 天候に関しては、雨は降っていないが、ウッドチップ馬場が少し重たく時計が出にくい状況。先週8日夜から9日にかけて「ポリトラックに水が浮くくらい」(関係者談)の大雨だったらしく、その影響が残っているのかも知れない。今週に入って、気温もぐんと下がっており、これからのウッドチップは乾きにくく、時計が出にくい状況が続いてくるだろう。

【坂路/4F51.9秒】
 12日。一番時計は4F51.0秒のエンドレスシャイン(栗東・鈴木孝志厩舎)。全休明けということもあり、どうしてもこの日に追い切りたいけど、休み明けが気になるという馬は15-15程度の時計ということも少なくなかったので、全体的な時計の出方としてはかなり遅い。

 ただ、目一杯にやっている馬をピックアップしてみても、全体時計は少し遅いし、ラスト1Fも遅い。グァンチャーレ(栗東・北出成人厩舎)は4F52.6秒だったが、ラスト1F12.3秒。馬場開場直後の時間帯で、この馬のいつものラスト1Fなら12秒フラットくらいのところが、0.3秒ほど遅いといった感じ。これを全体に換算すると、先週6日の馬場差と同じくらい、1秒ほど時計を要する馬場ということになる。

 13日。一番時計はカジキ(栗東・笹田和秀厩舎)の4F51.3秒。自己ベストが4F49.3秒の同馬なので、朝一番の時間帯を思えば、やはり時計を要している。そして、ラスト1Fの最速は矢作芳人厩舎の2頭、ドリームキラリタイセイドリームの12.1秒。12秒を切る馬がいなかったことが、時計の出しにくさを示している。

 神戸新聞杯を回避し、菊花賞(10月23日・京都芝3000m)1本に絞って調整を続けているジュンヴァルカン(栗東・友道康夫厩舎)。13日はM.デムーロ騎手が跨って、坂路での追い切りだったが、アドマイヤロケットを追走して、馬なりで先着。時計は4F51.9秒、1F12.9秒と自己ベストを更新する動き。内容としては申し分ないが、神戸新聞杯回避後はCWでの追い切りがないことは減点だろう。

 先週6日の馬場差が「+1.0秒」。12日、13日とも4F51秒台の頭数がそれなりにいるのだが、4F52秒台の頭数は少なく、馬場差の記録が非常に難しい。時計の遅い馬が圧倒的に多い今週はそちらを馬場差の対象と考えて『+1.0秒』で馬場差を記録することにした。

【CW/5F66.5秒】
 12日は追い切りはかなり少なく、13日に集中したという感じ。時計の出方だが、別ニュースでもお伝えしたサトノダイヤモンド(栗東・池江泰寿厩舎)のように、オープン馬ともなれば、全体時計が速い上、ラスト1Fもしっかりとした時計をマークできるが、新馬や未勝利クラスだと、前半を飛ばすと後半が止まり気味になる、少し時計を要する馬場。

 13日の追い切りで目立ったのは、東海S11着以降休養していたインカンテーション(栗東・羽月友彦厩舎)。この中間は再三にわたって、CWで追い切りを行っているが、ようやく動きに活気が出てきた。内を回ったとはいえ、6F77.2秒は素晴らしく速いだけに、そろそろ復帰戦も決まってくるのではないだろうか。

 復帰戦といえば、10月6日にノーザンファーム天栄(福島県)から栗東へ帰厩したシュヴァルグラン(栗東・友道康夫厩舎)。今秋はアルゼンチン共和国杯(11月6日・東京芝2500m)から始動予定。単走で6F84.2〜5F69.4〜4F54.9〜3F40.8〜1F13.3秒はこの馬らしい、少し遅くてもさもさした感じの動き。見た目や数字よりもしっかりと量をこなすことが重要なタイプだけに、このまま順調に追い切りを消化していけば、きっちり力は出してくれるだろう。

 先週6日の馬場差は「+0.2秒」。キャリアの浅い馬には時計を出しにくい馬場ではあるが、そちらを重視すると、軒並みオープンクラスの時計が速くなってしまうので、そのあたりも考慮して、今週も馬場差は『+0.2秒』で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
 今週の芝馬場は12日、13日ともに追い切りがあった。ここ数日は雨が降っていないのだが、芝は緩めで大きな芝の塊が飛ぶシーンもあった。よって、馬場差は12日、13日とも『+0.5秒』で記録している。

 ポリトラック馬場は追い切り頭数が普段通りに戻って、30頭弱といったところ。6Fの一番時計はドコフクカゼ(栗東・友道康夫厩舎)。単走だったが、テンからしっかり飛ばして、最後まで止まらずに6F76.8秒。9日には水も浮く状態だったようだが、追い切りには影響していない。馬場差は12日、13日とも『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・写真:井内利彰)

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