17日、
秋華賞(GI)を制した
ヴィブロスが栗東トレセンで元気な姿を見せた。
牝馬三冠GIですべて2着だった姉の無念を晴らした妹。馬房の中では大人しく落ち着いた様子だった姉とは違い、妹は終始動き回っている。激走のあとも元気いっぱいの様子だった。
「お姉さんと比べると落ち着きはないですね。でも、2歳から3歳春に比べると大人しくなりました。まぁ、自主トレしているんだ、ということにしています(苦笑)」と安田助手。
同助手は姉・
ヴィルシーナに続いて
ヴィブロスも担当している。姉の果たせなかった3歳GIを勝てたことについては「ホッとしました」と歓喜の表情だった。
秋華賞だが、安田助手はゲートについて行ったため、レースは競馬場内を移動するためのバスの車中で見ていた。
「ゲートも速かったし中段で安定した競馬をしていましたね。馬も我慢していましたし、(福永)祐一さんも今まで教える競馬をしてくれていたのでそれが今回に繋がったかな、と思いました。直線では、差し切れるか半信半疑でしたが『差してくれ!』という思いで実況を聞きながら車中で叫んでました(笑)」
不利のあった
紫苑Sとは一変、鮮やかな差し切り勝ちを決めた。
「スムーズに競馬をしたらこれだけの競馬をしてくれるんだな、と改めて思いました」
春は2回の重賞挑戦はいずれも2桁の惨敗したが、この秋は一変して安定した成績をおさめられるようになった。
「春はヤンチャで頼りないところがありましたが、秋になって大人になり心身ともにしっかりしてきましたね。馬体重はさほど変わりありませんが、充実度というか、筋肉量はアップしています。前走に続き、好調を維持しながら出走できそうだ、という手ごたえは感じていました。そのあたりが競馬で力を出せるようになった原因かな、と思っています」
戦前、友道師も鞍上の福永騎手を誉めていたが、その思いは陣営も同じだ。
「先ほども言いましたが、祐一さんの“教える競馬”が結果に繋がりました。祐一さんには昔からいろいろお世話になっています。長く縁のあるジョッキーと共にGIで結果を出せて嬉しかったです」
(取材・文:花岡貴子)