今週のトレセン。まずは気温だが、真夏の暑さや残暑というわけではないが、陽が昇るとかなりの暑さを感じる状態。日陰ではさすが10月というヒンヤリ感なので、馬房で過ごす馬にとって、暑さを感じるのは調教中だけかも知れないが、かなり寒暖の差が激しくなっていることは間違いない。
雨に関しては17日の午後にそれなりの雨は降ったが、それ以降は晴れもしくは曇り。晴れると表面上のウッドチップはしっかり乾いているが、さすがにこの季節は下部のウッドチップは水分を含んで重い状態。上が軽く、下が重い状態が走りにくさを生む原因だと思われるが、それだけにハローをかけて、軽いチップと重いチップが混じり合うとそれなりに走りやすく、いつも以上にハロー終了後の時間帯が走りやすい状態となっている。
【坂路/4F51.9秒】
19日。一番時計は
リスグラシュー(栗東・
矢作芳人厩舎)の4F50.6秒。4F50秒台はこの馬を含めて3頭。4F51秒台は10頭しかいなかったので、決して時計の出やすい馬場状態というわけではない。そのあたりはラスト1Fで12秒を切る馬がいなかったところにも表れている。
こういった馬場は時計だけで判断することが難しく、動きそのものを確認することが重要。たとえば、富士S(10月22日・東京芝1600m)に出走予定の
ダンツプリウス(栗東・山内研二厩舎)の併せ馬パートナーを務めた同厩舎
サハラファイター。先行して時計は遅いものの、持ったままでまっすぐに走れて、手応えは余裕十分。動きの印象としては重賞ウイナーよりも素晴らしく、前走時の休み明けを叩いて、馬の状態が上昇していることを示すような動きだった。
20日。一番時計は
サングラス(栗東・
谷潔厩舎)の4F51.7秒。19日に比べて時計が遅くなっているが、追い切り頭数自体が少ないので仕方ない。もちろん、全体的に4F51秒台の頭数が少ないのも同じ理由。
この日一番の動きを見せたのは、
ルミエールオータムダッシュ(10月30日・新潟芝1000m)に出走を予定している
レッドラウダ(栗東・
音無秀孝厩舎)。
クリソライトとの併せ馬だったが、乗り手の体重差があるにも関わらず、こちらが終始楽な手応えで動けていた。時計は4F52.2秒とこの馬にとってはさほど速い数字ではないが、それこそ時計では表現できない力強さ。完全に短距離馬体型になっており、胸前の発達は素晴らしい。
先週の馬場差が「+1.0秒」。雨が降っていないので、基準時計よりも数字が出にくい馬場という判断が難しいところ。ただ、全体的な時計の出方を見ても、明らかに先週と同じく時計を要する状態。よって、今週も『+1.0秒』で19日、20日とも馬場差を記録することにした。
【CW/5F66.5秒】
19日。
トレセンニュースでもお伝えしたように、
エイシンヒカリ(栗東・坂口正則厩舎)や
シュペルミエール(美浦・
木村哲也厩舎)が楽に6F80秒を切っており、ハローが終了した時間帯に関しては、好時計が連発するような状況。ただ、ハロー終了直後だけでなく、むしろ朝一番の馬場以外はある程度時計が出る馬場といってよいだろう。
20日。追い切り頭数の違いもあり、19日ほど速い時計を出す馬は少なかったが、脚色を見ていて、こんなに時計が出るの、という馬も多かったので、馬場状態に関しては前日と変わりないだろう。
先週も
アルゼンチン共和国杯(11月6日・東京芝2500m)に向けた追い切りをお伝えした
シュヴァルグラン(栗東・
友道康夫厩舎)。ここまで順調にメニューを消化しているが、新馬
アドマイヤプリヴとの併せ馬でも「らしさ」を見せた遅れ。もたついているというよりも、ゴールを過ぎるとすぐに減速しており、追い切りでは前向きさが足りないこの馬の動き。しかし、この馬はラスト1F12.1秒で伸びており、むしろ新馬が6F83.1〜5F67.8〜4F53.0〜3F38.5〜1F12.0秒で動けていると判断した方がよさそう。
先週の馬場差は「+0.2秒」。今週は新馬、未勝利クラスでも状態の良い馬はきっちり時計が出ており、むしろ基準時計よりも速いくらい。よって、馬場差は19日、20日とも『-0.1秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は19日追い切りを確認している。雨は降っていないものの、今週も追い切られた馬をよく見ていると、大きな芝の塊が飛んでおり、時計もさほど速くない。よって、馬場差は19日、20日とも『+0.5秒』で馬場差を記録している。
ポリトラック馬場は追い切り頭数は先週から安定していて、30頭弱といったところ。6Fの一番時計は先週と同じく
ドコフクカゼ(栗東・
友道康夫厩舎)。動きでは
タキオンレディー(栗東・柴田光陽厩舎)や
アドマイヤスター(栗東・
友道康夫厩舎)といったところが目立っていた。馬場差は19日、20日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)