天皇賞・秋(GI・芝2000m)に出走する
モーリス(牡5・美浦・
堀宣行)を管理する堀調教師の共同記者会見が行われた。
(前走の
札幌記念・GII・2着を振り返って)
「この馬にかかっている期待の大きさを考えると、残念だったと言わざるを得ないと思います。ただ内容に関しては、外枠と重馬場という中で、馬も頑張って走ってくれましたし、ジョッキーも上手に乗ってくれました。概ね、この馬の能力は出せたのではないかなと感じています。去年の今頃は課題として大きかったゲートについては、五分のスタートが切れていますし、重馬場で少し気を遣った面があって乗りやすかったとは思いますけど、それを差し引いてもしっかり折り合いがついていましたし、そういった意味では収穫もあったレースでした」
(
札幌記念後からここまでの調整過程は?)
「前走後は状態の確認をして、ノーザン
ファーム早来に放牧をしております。概ね1か月前の9月下旬に美浦に戻ってきました。その時は540キロ程度と、この馬としては体重がかなり増えていましたので、その辺を考慮しながら順調に調整は進んできています」
(今日の最終追い切りについて)
「先週、1週前追い切りを終えて週末までの状態を把握する中で、もう1本しっかりめにやっておきたいということで、水曜日の追い切りを予定しました。まだ少し手先の重さと反応の鈍さがありましたし、直前なのでその辺の確認と、あとはしっかり馬体を併せて少し緩急をつけた流れの中で、しっかりリズムをとれるかどうかの確認をしました。特にリズムに関しては稽古では段階的に良くなってきて、当初厩舎に来た時とは大きな違いが出ています。
1番良かった
チャンピオンズマイル(香港・GI・1着)の前よりは少し重さがあるという印象ですけど、去年の
安田記念(GI・1着)の前や、その前よりも状態は良いのではないかと感じています」
(左回りと右回りの適性は?)
「右回り、左回りと言ってもいろいろレイアウトがありますし、世界各国いろいろな競馬場がありますけど、右回りでしたら広いコースの方が良いと思いますし、左回りでしたら小回りの方が適性があると思っています」
(その理由は?)
「この馬は背腰に少しウイークポイントを抱えていて、その関係で左手前のス
トライドの方が伸びるという状態です。右手前、左手前のアン
バランスさは段々取れてきて、
バランスは整ってきてはいるのですけど、まだその傾向があります。それもあって先ほどのような話になりました。コーナーリングは左回りの方が上手なのですが、右手前になるとス
トライドが伸びません。とは言っても、東京ではもう1回左手前に戻しますので、そんなに致命傷にはならないでしょう」
(東京競馬場は?)
「広いコースですけど、世界的に言えばものすごく大きいコースというほどでもないので、こなせる範囲だと思います」
(2000mの距離について)
「血統的には問題ないということと、気性面ではレースに行って一生懸命に走り過ぎてしまうところがありますが、調教ではだいぶ解消されてきていますし、今でしたら2000m、例えスローペースになったとしても折り合いに関しては問題ないのではないかと思います。あとは流れの中でどう自分のリズムを保っていくかがポイントになってくるのかなと。2000mに関してはやり方次第でこなせないことはないと思っております」
(取材・写真:佐々木祥恵)